...富裕な社会の描写は民衆をして自分自身の貧困の倦厭(けんえん)を忘れさせるものであると...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...決してたのしい陶酔が過去の記憶を忘れさせるためにおとずれず...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...「苦労を忘れさせるような」にこにこ顔で答え...
太宰治 「家庭の幸福」
...その痛さを忘れさせる奇怪な世界を出たりはいったりしつづけていた...
谷崎潤一郎 「鍵」
...習慣が行為の目的を忘れさせるという事の一例になる...
寺田寅彦 「鑢屑」
...母に母であることをさえ忘れさせるのか...
外村繁 「澪標」
...かく我を忘れさせる瞬間もよくあるものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...落葉を焚く楽みは其身の市井(しせい)に在ることをしばしなりとも忘れさせるが故である...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...足の疲れを忘れさせるだけの力はありましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...事情も忘れさせるのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すべての事を忘れさせるような...
堀辰雄 「菜穂子」
...そして年齡を忘れさせるためには...
堀辰雄 「レエモン ラジィゲ」
...我々に我々自身のことを忘れさせるのをよいことだと考えたのだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...話しぶりはそういう埒(らち)を忘れさせるほど親近でじかだった...
山本周五郎 「新潮記」
...日頃のたしなみを忘れさせるほど...
山本周五郎 「風流太平記」
...馬でゆく旅は戦争を忘れさせる...
吉川英治 「新書太閤記」
...谷底は地殻(ちかく)の割れ目みたいな乱岩大石の状をなし、走り流れる奔湍(はやせ)の凄さは、たちまち、夏を忘れさせる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...盛んな食慾が彼女の退屈を忘れさせる...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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