...イタリアの美しい自然を背景として美少年アントーニオと歌姫(うたひめ)アヌンチアータとの悲恋(ひれん)を描(えが)いた『即興詩人(そっきょうしじん)』のごときは忘れがたい作品の一つであるといえよう...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「絵のない絵本」
...かくの如き議論は特に仏蘭西に於てかの離婚しがたき結婚制度の陰影として『自然の法則』の生んだ姦淫を忘れがたいものにするのである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...墨東は忘れがたい地である...
心猿 「桜もち」
...次のような忘れがたい言葉を残している...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...彼らにとって日本は忘れがたい恩人のはずだ...
高見順 「いやな感じ」
...秋暑い乳房にぶらさがつてゐるよいお天気の言葉かけあつてゆく旅は気軽い朝から唄つてゐるふる郷忘れがたい夕風が出た子供と人形と猫と添寝して日向子供と犬と仲よく秋風の鶏を闘はせてゐる十月六日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...忘れがたい風景であつた...
種田山頭火 「其中日記」
...それにもその時々の忘れがたい思い出が刻まれてあった...
徳田秋声 「黴」
...霽れさえすれば年の中(うち)で最も忘れがたい秋分の時節である...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...きんには何となく忘れがたい人であった...
林芙美子 「晩菊」
...その忘れがたい感情などは別として...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...忘れがたいあの人の芸術の妙味は宮様へお伝わりしているでしょうから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...精神的にも肉体的にも忘れがたい悲劇のひと幕でございました...
森律子 「三度會つた巡査」
...低い灌木(かんぼく)になるコウシキというなどは忘れがたい...
柳田國男 「食料名彙」
...誰もがそれぞれ忘れがたい感銘をうけるに違いない...
山本周五郎 「日本婦道記」
...ふたりにとって忘れがたい...
吉川英治 「私本太平記」
...――とまれ今日、彼にとって、何といっても、忘れがたい人は、やはり故信長であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...または甲州から遠く越中加賀あたりへかけての諸々の大きな山岳を眺め渡した氣持もまた忘れがたいものである...
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??