...此れ皆勇怯(ゆうきよ)を泯(ほろぼ)し勝負(しようぶ)を忘るゝものなり...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...日中の炎塵を忘るるとは...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...静子の生涯に忘るべからざる盆の十四日の日は...
石川啄木 「鳥影」
...理想主義者はそれに答へて国民の維持といふこともさることながら霊性の高揚と云ふこともまた忘るゝ能はざる事柄であると云つてゐる...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...その損失と悲哀を忘るることは出来ぬのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...これ終身忘るる事能わざるべきなり...
関寛 「関牧塲創業記事」
...花も霞(かすみ)もその声の裡(うち)に備わりて身は紅塵万丈(こうじんばんじょう)の都門にあるを忘るべし...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...輕快の 200舟のかたへにトロイアの軍に汝ら吐きたりし威嚇の言を忘るるな...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ついに帰ることを忘るるほどの興味に駆(か)られて...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして忘るべからざる二十四日の来た頃...
夏目漱石 「思い出す事など」
...わが裸体なるを忘るる能(あた)わざるのみならず...
夏目漱石 「草枕」
...また希(こいねが)わくは一年に一回ぐらい一週間なり十日間なりほとんど俗事を忘るるごとき境涯(きょうがい)に入ることができるならば...
新渡戸稲造 「自警録」
...予が実に忘るる能わざる明治二十八年十二月二十一日は来りぬ...
野中到 「寒中滞岳記」
...忘るるとなしに忘れて一生は夢の如し...
樋口一葉 「ゆく雲」
...忘るべからざることなり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...僕をしてその境地に置きしもの種々複雜なる事情あれどジアン・クリストフの影響大なりしは今に到つて忘るる能はず...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...古池の句もこれを忘るべし...
正岡子規 「古池の句の弁」
...誰(たれ)か髪美(うつ)くしく一(ひと)すぢも乱さぬことを忘るべき...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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