...われらの会合に常にただ一人の婦人なるKのしなやかなる手の指環を忘るること能はず...
石川啄木 「呼子と口笛」
...しかして十三節に「神を忘るる者の道はすべてかくの如く...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...「時計は捩子(ねぢ)を捲くを忘るべからず...
薄田泣菫 「茶話」
...故に壮年者は老人に対するの責任たるを忘るべからざるなり...
関寛 「関牧塲創業記事」
...其はより重大な戀の問題で暫く忘るゝとも無く忘られてゐた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...就中彼はある風雪の日こゝで生別の死別をした若者を忘るゝことが出来ぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...翁のをしへわれなどか忘るべき...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...それもわからなくなってしまいました」「城南に行かんとすれば南北を忘る――というところですね」「いや...
中里介山 「大菩薩峠」
...其の皮の虎(とら)なるを忘るるなり」とあるが...
新渡戸稲造 「自警録」
...一国の人民は国法を重んじ人間同等の趣意を忘るべからず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...この横暴忘るべからず...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...家庭料理を掌(つかさど)る者はこの理を忘るべからず...
村井弦斎 「食道楽」
...忽(たちま)ち相顧みてまた忽ち相忘るるが如きに過ぎない...
森鴎外 「鴎外漁史とは誰ぞ」
...遊に慣れたものは燈燭(とうしょく)を列(つら)ねた筵席(えんせき)の趣味を忘るることを得ない...
森鴎外 「細木香以」
...二人の結婚を許可してくれた千鶴子の兄たちへの礼儀も忘るべからざる今の心得だった...
横光利一 「旅愁」
...終生忘るゝことの出來ないなつかしいものである...
吉江喬松 「山岳美觀」
...忘るるなよ」登子(とうこ)その後も...
吉川英治 「私本太平記」
...思い出すとは忘るるか思い出さずよ忘れねば藻町(もまち)の辻の空地の向うから...
吉川英治 「新書太閤記」
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