...彼女は我慢強くて、受忍性がある人だ...
...しかもそれ等の霊魂は、死の瞬間に於(おい)て忿怒(ふんぬ)に充ち、残忍性に充ち、まるで悪鬼(あっき)夜叉(やしゃ)の状態に置かれて居る...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...この犯罪に現われた極度の残忍性...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...大人に比べて非常に残忍性を持っていることを知っています...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...異様なおそるべき残忍性を蔵しているもののようでございまして...
太宰治 「男女同権」
...妻が夫を自らの手で不具にしておいてそれを眺(なが)めるのを楽しみながら侍(かしず)くと云う事柄の持つ残忍性に...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...野獣のような残忍性が...
中里介山 「大菩薩峠」
...かえって残忍性の快楽をそそるくらいのものでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...神尾の残忍性に油を加えるものに過ぎません...
中里介山 「大菩薩峠」
...惨忍性を煽(あお)るには都合のよい知恵だけが働くように出来た神尾の性格を知っているだけに...
中里介山 「大菩薩峠」
...ああいう種類のやつの非人情、残忍性ときたら、とても常識で律するわけにはゆかんのですからねえ」なるほど、先生のような見方もあるだろう...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...私はスペイン闘牛士のように道楽半分の残忍性を以て云った...
松永延造 「職工と微笑」
...それは虎にも獅子にも具わっていない特異なる残忍性の発露である...
松永延造 「職工と微笑」
...優越感を徹底的に満足させようとした古代民族の残忍性の記憶を...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...前記の如き残忍性を帯びたる夢遊心理を誘起され...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...人間の残忍性と恐怖心とに対しては猛悪な神が作られ...
与謝野晶子 「既成宗教の外」
...かれは残忍性につよく...
吉川英治 「大岡越前」
...さらにその病魔に手伝おうとする男の残忍性であった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そして云うには、人間の本能のうちには、盗み心だの、残忍性だの、あらゆる悪魔的なものも、当人が自覚するとしないとに関(かか)わらず潜んでいるが、その反対なもの、善真なもの、たとえば絵心のごときでも、実は誰にでも必ずある筈のものなのだ...
吉川英治 「人間山水図巻」
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