...辛じて堪え忍ぶ有様に御座候...
太宰治 「花吹雪」
...忍ぶべからざる行為をも忍んで遂行しているのだ...
戸坂潤 「社会時評」
...その災厄(さいやく)の恐ろしさを忍ぶにも二人きりだったし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...最少限度の予算措置をも忍ぶという統一態勢に...
中井正一 「図書館法楽屋話」
...忍ぶべからざる恥をも...
中井正一 「美学入門」
...「いま」に忍ぶの恋草(こいぐさ)や...
永井荷風 「妾宅」
...新橋芸者の品定(しなさだめ)にもすぐと一流二流の差別をつけるはまだしも忍ぶべし...
永井荷風 「桑中喜語」
...此日夜に至るも風なく炎蒸忍ぶ可からず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...まア何にしても当分は世を忍ぶ身体(からだ)...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...世を忍ぶやからではないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分の面前でさえ忍ぶべからざる侮辱を受けないとも限らない...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...彼にとって忍ぶべからざる侮辱であった...
夏目漱石 「明暗」
...九清養寺の飯炊きのお類(るゐ)が女巾着切のお兼の世を忍ぶ姿と解つただけで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...錢形平次の忍ぶところではなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どんなにしても堪(た)え忍ぶことの出来なかった自分の少女の頃のことをふっとおもい出すのでした...
林芙美子 「新生の門」
...忍ぶやうに生れて來てゐるのです――あなたも私と同じやうに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...亡(な)き人を忍ぶる宵(よひ)の村雨(むらさめ)に濡(ぬ)れてや来つる山ほととぎす前よりもいっそう悲しいまなざしで空を院はおながめになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...堪忍ぶくろもズタズタだ...
吉川英治 「平の将門」
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