...生きて相見(あいまみ)えることは部下として忍びないものがあった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...その儘土に埋(うづ)めるに忍びないからといつて...
薄田泣菫 「茶話」
...間道を知っている者がうしろの山路を伝わって本丸までは忍び寄ったとしても...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...小さい家庭の係累(けいるい)などのためにこの若い燃ゆる心を犠牲にするには忍びないと思う...
田山花袋 「田舎教師」
...二三匹が同時に忍び寄ってゆき...
豊島与志雄 「水甕」
...忍び音に泣いているのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...五十丁撃の大筒を作り上げた筈だ」「――――」「俺は忍びの者を江州に入れて...
野村胡堂 「江戸の火術」
...――溝口屋の裏から忍び込んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「曲者が後ろからそっと忍び寄ったとしたら?」「昨夜は月があったし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お忍びの自動車を仕立ててニュウリイのアパアトへしきりに通っている...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...黙過するに忍びない因果な性癖に依るらしかつた...
牧野信一 「小川の流れ」
...だから、まあ、出来るだけ、この近所へは足踏みをしねえことに、いたしやしょうよ」「ところがわしは、何となく、貴様が好ましくなって来たよ」と、老人は、手にした酒盃(さかずき)をさしてやって、「何の泥棒の、盗賊のというと、聞えが悪いが、忍びの業は、立派に武士の、表芸の一つ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...又(また)忍び込んだ...
水上滝太郎 「果樹」
...忍ぼうとしても忍びきれないのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...低く忍び笑いをして...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...できるだけ静かに忍びやかに歩いているらしい足音は...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...見ているに忍びぬ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...そのご最期まで見るには忍びないので...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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