...理想を負ふ者の矛盾と苦痛と自責と屈辱とを耐へ忍ぶ事は避く可からざる彼の運命である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...むかし紅海を渡りけん時も忍ばる...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...やがてハタハタと忍びやかな...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...外から忍び入ることも...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...トロツキーに対する共感を忍ばせていた...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「いえ、いえ、ラゴーフにはもう!」
...おのれ!」眞野は洗面所へ忍びこんだ...
太宰治 「道化の華」
...下の方に忍冬(にんどう)が描(か)いてありましょう...
夏目漱石 「倫敦塔」
...忍び込むことも逃出すことも出来るわけはありません...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...忍ぶようにひょろりと入って来たのが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...腕組みをして釣忍(つりしのぶ)を見あげながら...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...窓には半蔀の代りに低い忍返しが付いてい...
久生十蘭 「魔都」
...これをも忍びて塵俗の外に悠々たるべしとは...
福沢諭吉 「学問の独立」
...忍び寄る暗黒に一瞬...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...それと同様に、一応野望的な作家の心に湧いたより活溌な、より広汎な、より社会的な文学行動への欲望が、その当然な辛苦、隠忍、客観的観察、現実批判の健康性を内外から喪失して、しかも周囲の世俗の行動性からの衝撃に動かされ、作家のより溌剌な親しみのある文化性のあらわれであるかのような身ぶりをもって、新通俗文学の産出にしたがいはじめたと観られる...
宮本百合子 「おのずから低きに」
...その警備のため市内にお忍び姿で出たのだが...
柳田国男 「故郷七十年」
...村によっては煩わしきを忍んで全部片仮名をもって現わした処もある...
柳田國男 「地名の研究」
...和女(おこと)は思いのまにまに寝(い)ねよ」忍藻がうなずいて礼をしたので母もそれから座を立って縁側伝いに奥の一間へようよう行ッた...
山田美妙 「武蔵野」
...そこで秀の忍び装束を着...
山本周五郎 「風流太平記」
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