...癩者を忌む心も、托鉢を恥づる心も、十字架を逃れむとするの心も、凡て截斷するを要する心は、ズバリと之を截りさげて了つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...当日旅行を忌むの風あり...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...擲(な)げ櫛を忌むは...
高木敏雄 「比較神話学」
...ただ「春風」とか「春の月」とかいう春という字のくっついているのにさらに春季の季題である「霞(かすみ)」「氷解」「燕」「桜の花」「種蒔(たねまき)」「長閑(のどか)」などをあわせ用うることは重複した感じを与えることになるからこれを忌むのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...我身にとり物を忌むことなし...
太宰治 「花吹雪」
...始めから縁にゆとりの無い書物を愛書家は特に忌むのである...
辰野隆 「愛書癖」
...諸君が常に忌む所の藩閥政府は...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...君も亦忌むべき虚僞をかくばかり好むものかな...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...心に忌むもわが言に汝ら聞きて從はば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...糞尿(ふんにょう)を格別忌むでも賤(いやし)むでもなかったが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...残忍と憎悪(ぞうお)とに満ちた忌むべき宣伝者ども...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そのいかなる徳をもってしても司教の目には忌むべきものと映ずるであろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...忌むべき恐ろしい一対であった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...忌むべき瞞着者(まんちゃくしゃ)となるわけです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...此時僧侶の間で最も忌むべき顕栄を干(もと)める念が始めてステパンの心の中(うち)に萌(きざ)した...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...あれは忌むべき罪ではなかったのか?──赤とうがらしが欲しいとふっと思うのは人情だから仕方がないとしても...
永井隆 「ロザリオの鎖」
......
萩原朔太郎 「短歌」
...兎途を横ぎるを忌む事欧州のほかインド...
南方熊楠 「十二支考」
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