...心細いことおびただしい...
芥川龍之介 「槍が岳に登った記」
...同時に自分にとつても少々心細い...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...「結婚をなさるんですか……おめでとう……おめでとう……だがあなたが日本にいなくなると思うと……いたたまれないほど心細いんだ……わたしは……」もう声さえ続かなかった...
有島武郎 「或る女」
...母親ばかりで御座います」「それは心細いね...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...心細い事を言つてゐるさうだ...
薄田泣菫 「茶話」
......
高木貞治 「回顧と展望」
...ニツポンのフジヤマを、あらかじめ憧(あこが)れてゐるからこそ、ワンダフルなのであつて、さうでなくて、そのやうな俗な宣伝を、一さい知らず、素朴な、純粋の、うつろな心に、果して、どれだけ訴へ得るか、そのことになると、多少、心細い山である...
太宰治 「富嶽百景」
...甚だ心細い訳である...
寺田寅彦 「アインシュタインの教育観」
...中国国民が悉くこの種の田舎者でない限り、日満的パックス・ローマナ(Pax romana)、ローマの平和も、心細いものだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...博士の思索は可なり心細いものであることを率直に告白せねばならぬ...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...最初の日附を覚えていないとは、ちょっと心細い、と云って私が苦笑すると、あなたも苦笑した...
豊島与志雄 「常識」
...心細いと枯れた葉が云う...
夏目漱石 「野分」
...曲者(ほし)は見當だけでも付いたのかえ」「見當は心細いな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「東京も不景気かの?」「とても不景気ですよ」「どこも同じかのう……」梅干をしゃぶりながら母が心細い顔つきをしている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...コン吉は心細い声で...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...しかし小児用適当の食品が一種や二種では心細いね...
村井弦斎 「食道楽」
...今でもまだあなたと長く逢(あ)わないでいると心細い気がするほどなんだから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...心細い気をお覚えになって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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