...窓の外の楓(かえで)があんなになったのを見ると心細いというのだ...
有島武郎 「小さき者へ」
...フトそこらの人々を見ると登志子は急に何ともいえない哀しい心細い気がしだした...
伊藤野枝 「わがまま」
...心細い限りである...
太宰治 「佐渡」
...旅人にとつては心細い...
太宰治 「津軽」
...なにか妙に心細い気持で歩いて行くと...
田中英光 「箱根の山」
...心細い思いをしましたよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして前よりも軽く穴が残るんです」「心細いですな」「なに十中八九は癒るにきまってます」「じゃ本当の意味で全癒というと...
夏目漱石 「明暗」
...私(わた)しも取る年に候えば初春(はつはる)の御雑煮(おぞうに)を祝い候も今度限りかと……何だか心細い事が書いてあるんで...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「少し聞き込んだ事があるんだが、一人じゃ心細い、兄哥に立会って貰いてえが――」「いいとも、だが――無駄だぜ、銭形の、下手人はどう考えたって板倉屋だ」「兄哥の見込みをどうのこうのと言うわけじゃねえ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「そいつは心細いぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...猫の子を助けただけで」「心細い野郎だな」「でも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何となく心細い気もする...
林芙美子 「泣虫小僧」
...その詠嘆的な心細い口調は...
原民喜 「永遠のみどり」
...心細い様ではあるがまたなつかしい心持もした...
正岡子規 「くだもの」
...何かの場合にいつも心細い思いをするようだった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そして無力な家を背景としている心細い更衣は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...身にしむという程度にはとどまらずに恐怖をさえも与える心細い山荘であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ただその際にお妹様を心細い状態であとへお残しするだけが苦痛に思われます」中納言は少しでもものを言わせたいために...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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