...敵ヲ図ラントスレバ先ズ味方ヲ図レなどという格言は紅国軍部といえどもよく心得ているのであった――というような結末まで...
海野十三 「軍用鼠」
...拙者もよく心得ている...
海野十三 「特許多腕人間方式」
...しかもこれをもって商売のコツなりと心得ている向きも少なくなかったのでありますが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...俳句などというものは当意即妙で頓知(とんち)さえあればできるもののごとく心得ている人がずいぶんありますが...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...猶最新の経済理論を心得ているに拘らず大阪町人は己の領分の経済思想をさえもっていないのが多いのである...
直木三十五 「大阪を歩く」
...捕吏が「何うも居るのが判っているに、素直に云わぬと――」「為にならねえことぐらいは、子供の時分から、心得ているが、そうは行かねえや――大家さん、えらい騒ぎが起りますぜ」「手向いでもしなさるかのう――困った...
直木三十五 「南国太平記」
...日本人は大學を小學の上達したものと心得ているから...
長岡半太郎 「湯川博士の受賞を祝す」
...単に凭れ頃な石塔のたぐいだと心得ている...
中里介山 「大菩薩峠」
...心得ているのか、入って来たお雪は、あれほど気の利(き)いた子でありながら、暗い座敷へ入って、まず燈火をつけようとの試みもしないで、少しばかり畳ざわりの音がしたかと思うと、それっきり静かで、何も聞えません...
中里介山 「大菩薩峠」
...日本の女は肌をさらしものにされることを恥辱と心得ているが...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちゃんと心得ているぞと言った風な...
中島敦 「斗南先生」
...よく心得ているべきことである...
中谷宇吉郎 「「霜柱の研究」について」
...芸妓通客(げいぎつうかく)はこの解脱法を心得ている...
夏目漱石 「野分」
...市蔵はそのくらいの面倒なら僕に注意されるまでもなくすでに心得ていると答えて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...その辺はよく心得ている...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...某はおれの性質をよく心得ているに...
新渡戸稲造 「自警録」
...喝采を引き延ばす術を心得ていることはどうだ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...そう心得ているのか...
吉川英治 「無宿人国記」
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