...婦人(おんな)ばかりでたよりにはならぬが、近い上に心安い...
泉鏡花 「悪獣篇」
...心安い調子でいうのだ...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...それにとても心安い間柄でしたから寄って呉(く)れたんです...
大阪圭吉 「カンカン虫殺人事件」
...などといふ心持でないことは心安いが...
竹久夢二 「砂がき」
...別の心安いカフェーの前にいつしか出てしまった...
豊島与志雄 「反抗」
...同伴したのは心安い医者などや...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...心安い家でうまい処があるか...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...行徳に心安いとこがあるんです...
永井荷風 「にぎり飯」
...別に心安いところもないがな...
中里介山 「大菩薩峠」
...心安い方で隠れたお座敷のほうにおられますから」とあとの人々へ言わせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...心安い砂糖問屋(さとうどいや)があるから...
森鴎外 「渋江抽斎」
...中野さんと戸塚の野郎は前から心安いんか」三好が仄白い光りの中で片目をつぶって笑った...
夢野久作 「オンチ」
...老爺(おやじ)の心安い巡回の巡査に発見されたので...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...……もうこうなったら諦らめろよ」「……………」「俺の顔を見知って来たか……」「……………」「俺がドレ位の恐ろしい人間かわかったか」「……………」「わかったか……阿魔(あま)……」「……………」「……俺の云う事を聞くか……」「……………」「聞かねばこのまま突出すがええか……警察は俺の心安い人ばかりだ」白い手の力がグッタリと抜けたようであった...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...ズット前から心安いのよ...
夢野久作 「二重心臓」
...興行係の片山っていう心安い警部に会って...
夢野久作 「二重心臓」
...よく吾輩の処へ議論を吹っかけに来る江戸ッ子の若造(わかぞう)で、友吉とも心安い、来島(くるしま)という柔道家だったが、これも猿股一つになって、真黒な腕に浮袋を抱え込んでいた...
夢野久作 「爆弾太平記」
...どんなに私の心安い本屋でもこれまで名の知れてない人の長い小説は引き受けてくれませんからね...
與謝野晶子 「女が来て」
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