...ほんの儂(わし)の気持だ」「滅相もない旦那様! そんなお心付けまで頂戴いたしましては! そんな……そんな」と薄気味悪そうに押し返すユアンの手に私は無理に若干(そくばく)を受け取らせてくれた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...運転手への心付け...
谷崎潤一郎 「細雪」
...妹の婚姻に就て心付けであるさうだ...
長塚節 「十日間」
...千里の深きより来(きた)る地震の秒を刻み分を刻んで押し寄せるなと心付けばそれが夜鴉の城の真下で破裂したかと思う響がする...
夏目漱石 「幻影の盾」
...念のためもう一度心付けをはずんで...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...心付けと、十手と、詫言(わびごと)と、脅かしと、硬軟いろいろに使いわけて、亥刻(よつ)半(十一時)頃、廻って来たのは、御隠殿(ごいんでん)裏でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少しばかりの心付けと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...うっかり心付けをしておかなかったのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...うつかり心付けをして置かなかつたのが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...季(とき)時節(じせつ)の心付けを貰つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...心付けを貰つた義理があるせゐか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...たんまり心付けを貰っている事ではあるが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...もう来るころと待っていて若干(いくらか)祝儀を出すとまたワッショウワッショウと温和(おとな)しく引き上げて行くがいつの祭りの時だったかお隣の大竹さんでは心付けが少ないと言うので神輿の先棒で板塀を滅茶滅茶(めちゃめちゃ)に衝き破られたことがあったのを...
水上滝太郎 「山の手の子」
...秀之進は船頭に心付けをやり...
山本周五郎 「新潮記」
...宿屋にも充分の心付けをして「当分娘と共に厄介になるから」と最上等の室(へや)へ案内させた...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...彼(か)の馬十が覗きしものにかあらむと心付けば...
夢野久作 「白くれない」
...心付けも要るそうであるし...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...わたしは彼にいくらかの心付けをやって...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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