...我と世界との追分の心もとなさを感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...蜜柑(みかん)のつゆに染まりたる爪(つめ)を見つむる心もとなさ!手を打ちて眠気(ねむげ)の返事きくまでのそのもどかしさに似たるもどかしさ!やみがたき用を忘れ来(き)ぬ――途中にて口に入れたるゼムのためなりし...
石川啄木 「悲しき玩具」
...その前の晩市役所のストーヴに集まつた連中(れんぢゆう)の一人が心もとなささうに言つた...
薄田泣菫 「茶話」
...お冬さんは、心もとなさに、「先生、いかがでございましょう」とたずねました...
竹久夢二 「人形物語」
...その前年のやうな長閑な気色が次第に御ところから消えて行くやうな心もとなさを覚えるのでございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...二度とふたたびお逢いできぬだろう心もとなさ...
太宰治 「二十世紀旗手」
...忘れてか何とも仰せの無き心もとなさ...
樋口一葉 「大つごもり」
...忘れてか何とも仰せの無き心もとなさ...
樋口一葉 「大つごもり」
...何か損をしたような心もとなさを覚えた...
本庄陸男 「石狩川」
...心もとなささうに座敷をのぞいてはうろうろ寢もやらずにゐるお芳を...
水野仙子 「四十餘日」
...心もとなさ言はむかたなし...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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