...況して哲學上藝術上の思想が哲學者藝術家の Gemt(心ばえ)に作用して...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...此一事にも惣参居士の心ばえがしのばれる...
種田山頭火 「行乞記」
...しかもいかにも女らしい一種の心ばえのようなものがありありと読みとられるようである...
寺田寅彦 「柿の種」
...萬事はただ閣下夫人の天使のごとき御心ばえにおすがり申しあげます...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...旧家大家に育った生れつきの心ばえであろうか...
豊島与志雄 「太宰治との一日」
...鈴子夫人の優れた素質や、その天才、心ばえは、美しさを別にしても、全く珠玉的なもので、千人に一人、万人に一人、いや千万人に一人もあるまいと思うほど恵まれた天分の持主ですが、それに対して森川森之助もまたいささかの引目を感じないばかりでなく、かえってたち勝るかも知れないと思う程の立派な青年だったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...山から下りたばかりの私をおいたわりになろうとなすって居られるあの方のお心ばえも...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...たとえば、清少納言のことについて、きのう国文専門のひとと話して、「枕草子」の或場面で、清少の心ばえが、いかにも女房風情というところが、あらわれているところがあるのです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それは姉の単純な優しい心ばえから出た母への劬(いたわ)りともとれ...
矢田津世子 「父」
...ふだんからお喜乃さんの心ばえに感服して...
吉川英治 「治郎吉格子」
...何よりは心ばえのよい娘じゃそうな...
吉川英治 「新書太閤記」
...心ばえのよい侍女(こしもと)を――とお名ざしで申し越されたとのことです」「それは...
吉川英治 「新書太閤記」
...(お心ばえとして...
吉川英治 「新書太閤記」
...心ばえと、雪国の女の肌というきれいさでは、加賀の局(つぼね)...
吉川英治 「新書太閤記」
...国助の心ばえも、今夜はよう分ったゆえ、男女(ふたり)の望みにまかせましょう...
吉川英治 「親鸞」
...心ばえも賢かりけり」とある...
吉川英治 「随筆 新平家」
...酒は貧しくも、肴(さかな)はなくも、心ばえは、かような者ども...
吉川英治 「宮本武蔵」
...兄貴のフェリックスは心ばえいとも気高(けだか)く...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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