...学者の心の臓は、蜆貝(しゞみがひ)のやうに小さくて、加之(おまけ)に浅い所にしか住むでゐないので、どんな女にでも直ぐ掴む事が出来るものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...――黒板博士は大事の心の臓を妓(をんな)の掌面(てのひら)に置き忘れたまんまで東京に帰つて往つた...
薄田泣菫 「茶話」
...無論博士の心の臓は化粧箱に入れた儘...
薄田泣菫 「茶話」
...大きな灰色の鼠が血だらけな英雄の心の臓を咥(くは)へて小走りに逃げのびようとしてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...何(ど)うする事も出来なかつた英雄の心の臓を...
薄田泣菫 「茶話」
...豚は心の臓も腸(はらわた)も持つてない癖に...
薄田泣菫 「茶話」
...傷だらけの心の臓...
薄田泣菫 「茶話」
...見ると心の臓は切り開かれてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...心の臓の異様に動くのがまざまざと見透された...
薄田泣菫 「独楽園」
...この心の臓は、もとは夫や子供の側で、セコンドのように打っていて、時を過ごして来たものでございます...
太宰治 「女の決闘」
...いざ今宵一夜(ひとよ)はわれととり出でたこの心の臓を窓ぎはの白き皿に載せ...
富永太郎 「無題」
...弱っていた心の臓を破ったんだ(心臓破裂)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...たった一と突き心の臓をえぐって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見事に心の臓を貫(つらぬ)き...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...……心の臓にふれて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...成行(なりゆき)を待つ間(ま)の一分(ぷん)に心の臓を縮めていると...
二葉亭四迷 「平凡」
...わたくしの心の臓は痙攣(けいれん)したように縮みました...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...心の臓がもう一遍劇しく波立つたのでございます...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
便利!手書き漢字入力検索