...けれどもその度びにたつた一つの私の愛はなをその度びに深く/\心の奥に喰ひ入つて力強い執着となつて...
伊藤野枝 「書簡 木村荘太宛」
...私の心の奥底まで沁(し)みわたった...
梅崎春生 「桜島」
...我々の心の奥底へとじ込めて...
江戸川乱歩 「疑惑」
...わしの心の奥で匕首(あひくち)のやうな白い歯を見せて笑つてゐるのを見つけたのだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...凡てのものが心の奥へ潜入してゆくのだ...
豊島与志雄 「運命のままに」
...私の心の奥底にしみこんでくる...
豊島与志雄 「情意の干満」
...科学者はつとめてその両者を無意味、没交渉に看過せしめようとするけれども、人心の奥底には、誰しもその脈絡を信じようとしてやまぬものがあるらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...更に奇妙で一層合点のゆかぬ思ひが心の奥底に湧きたつたであらう...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...吐息と一緒に心の奥で呟(つぶ)やいたのであります...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...」これが子爵の心の奥に潜(ひそ)めた響であツた...
三島霜川 「平民の娘」
...私の心の奥までしみ亘った...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...と私は心の奥でいった...
山川方夫 「演技の果て」
...どこから聞くともなく心の奥底に受け入れている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...心の奥底を微かに微かに戦(おのの)かしていた...
夢野久作 「継子」
...私の心の奥底の秘密を...
夢野久作 「冥土行進曲」
...人の心の奥にある弧独の夢をゆり起し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...――その白壁を微かに見たとき、彼は思わず双手(もろて)をあげたい程、心の奥で叫んだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...「物のあはれ」が「心のまこと」「心の奥」であるという思想である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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