...其儘小作人諸君の前に前記の土地を自由裁量に委ねる事は私が彼の土地を解放した精神である狩太農場民の自治共存を永久ならしめ延いて漸次附近村落を同化して行き得る如き有力なる団体たらしめる上に於て尚多少徹底しない所があるので狩太農場民の規約なるものを作り私の精神を徹底したい考へから森本博士に其規約の作製を依頼してあります...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...斯ういふ徹底しない論理を...
石川啄木 「葉書」
...今日のように非人間的に徹底したように見える物理学でもまだ徹底しない分子を捜せばいくらでも残っている...
寺田寅彦 「物理学と感覚」
...合理的な説明を聴くまではどんな説も徹底しない...
戸坂潤 「社会時評」
...徹底しないだろうからだ...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...私は自分の云い付けがはるに少しも徹底しないような不安を感じだした...
豊島与志雄 「理想の女」
...わたしはこれでもすべて物事に徹底しないと...
中里介山 「大菩薩峠」
...流行させるようにしなければ徹底しないではないか...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...家庭でも土地の仕立屋でもやれるようなものでなければ徹底しない筈である」ということを弥之助が鋭く言うたので...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...自家で取り上げた穀を精米所へやって搗かせるのでは徹底しない...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...自分のやうに十年實際に臨んで居るものゝ眼からは徹底しない處があつた...
長塚節 「教師」
...けれども事実を知らない私には同時に徹底しない言葉でもあった...
夏目漱石 「こころ」
...真理に徹底しないものは...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...元來公衆の前で演説することに慣れて居ずそれに酒の醉もあつて殆んど意味の徹底しない支離滅裂の言辭を竝べてしまつた...
萩原朔太郎 「中央亭騷動事件(實録)」
...むづかしい言葉を使ひたがるので徹底しない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...私の愛が徹底しないから心苦しくてならない」などとお語りになる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それでなければ蔽(かく)れた「名品」を一般に弘めると云う主旨は徹底しない...
山本周五郎 「青べか日記」
...従って彼の観察は帚木が後に書かれたという所にまで持って行かなければ徹底しない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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