...其儘小作人諸君の前に前記の土地を自由裁量に委ねる事は私が彼の土地を解放した精神である狩太農場民の自治共存を永久ならしめ延いて漸次附近村落を同化して行き得る如き有力なる団体たらしめる上に於て尚多少徹底しない所があるので狩太農場民の規約なるものを作り私の精神を徹底したい考へから森本博士に其規約の作製を依頼してあります...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...斯ういふ徹底しない論理を...
石川啄木 「葉書」
...噂話的の徹底しない...
田山録弥 「小説新論」
...又二つの道が終局の理想から云って一つ道に帰して了わねば徹底しないということが考えられるにしても...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...合理的な説明を聴くまではどんな説も徹底しない...
戸坂潤 「社会時評」
...もし今そこまで観念として徹底しないのだとすると...
戸坂潤 「読書法」
...と云うのはベカントにならねばならなかったその当初の目的が徹底しない...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...徹底しないだろうからだ...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...命令も命令として徹底しないのは是非もない...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしはこれでもすべて物事に徹底しないと...
中里介山 「大菩薩峠」
...家庭でも土地の仕立屋でもやれるようなものでなければ徹底しない筈である」ということを弥之助が鋭く言うたので...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...自家で取り上げた穀を精米所へやって搗かせるのでは徹底しない...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...けれども事実を知らない私には同時に徹底しない言葉でもあった...
夏目漱石 「こころ」
...真理に徹底しないものは...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...元來公衆の前で演説することに慣れて居ずそれに酒の醉もあつて殆んど意味の徹底しない支離滅裂の言辭を竝べてしまつた...
萩原朔太郎 「中央亭騷動事件(實録)」
...むづかしい言葉を使ひたがるので徹底しない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...私の愛が徹底しないから心苦しくてならない」などとお語りになる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...従って彼の観察は帚木が後に書かれたという所にまで持って行かなければ徹底しない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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