...明の武宗が微行の途次...
芥川龍之介 「上海游記」
...急に御微行(ごびこう)になられる事になって...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...天はうすら曇って月は朧(おぼろ)のようだ――かの仮橋を渡って微行(しのびゆ)く机竜之助はどこへ行くつもりであるか...
中里介山 「大菩薩峠」
...「どうやら御重役のお微行(しのび)らしい」木戸番が頭取(とうどり)に耳打ちをしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それと知ったものでなければ立派なさむらいの微行姿(しのびすがた)です...
中里介山 「大菩薩峠」
...……時に君は安南帝国の宗皇帝が微行で東京に来ていられることを知っているかね」真名古は陰気な声で...
久生十蘭 「魔都」
...宗皇帝が突然微行で日本へ来遊されたということははなはだ以て迷惑千万なのである...
久生十蘭 「魔都」
...私のように親しい者の所へは微行(しのび)ででもお訪(たず)ねくださればいいと恨めしい気になっている時もあります」と源氏が言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...兵部卿の宮は御帰京になったあとでまたすぐに微行で宇治へお行きになろうとしたのであったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...実際は信仰のための微行などというものはできるものではない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...薫は公務の少しひまになったころ例のように微行で宇治へ出かけた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...推するに微行して江戸に入り...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...然るに宣宗は微行をする癖があって...
森鴎外 「魚玄機」
...神の微行(びこう)二十三夜様の昔話というのは...
柳田国男 「年中行事覚書」
...いわゆる微行で富士の五湖巡りをするのだという話である...
柳田国男 「雪国の春」
...越中さらさら越えから遠州へ微行の旅に立った...
吉川英治 「新書太閤記」
...お微行(しのび)の鳳輦(くるま)が横づけになっているではないか...
吉川英治 「親鸞」
...かえって微行(しのび)の身には...
吉川英治 「宮本武蔵」
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