...微かな動悸を胸に覚えて...
石川啄木 「病院の窓」
...その時微かな戦慄とともに思い出した...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...ときどき微かな翳(かげ)りのようなものが現れたり引っ込んだりするようになったのは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...カサカサと乾涸(ひか)らびた微かな音を立てゝ居た...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...「一度なんだか見たことがあるような氣がしますよ」と微かな聲で...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...」――さうした微かな声が私の耳に這入つた...
中原中也 「その頃の生活」
...思いがけないある微かな...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...突き崩された壁土がサラサラと微かな音を立てて床の上に落ちる...
久生十蘭 「魔都」
...夢うつゝのなかにれきろくたる轍の音を耳にしながら微かな彼女の重味を片脇に感じて手綱を執つてゐる小生の魂は...
牧野信一 「女優」
...眼をギヨロリとさせて唸りながら微かな笑ひを浮べた...
牧野信一 「心象風景」
...またしても微かな呻り声を二度三度と洩らしていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...何処かで微かな小鳥の声...
宮本百合子 「雲母片」
...――微かな生きものだ...
宮本百合子 「毛の指環」
...どこかで鳥の聲がする 雪の山の黄昏時私は一つの尾根に彳つ 谿間の宿のランプの灯(ひ)私の部屋の小さな窗 窗に映つた帽子の影あはれあはれ それは思出のやうに見える 微かな谿の水の聲...
三好達治 「黄昏」
...唇元(くちもと)の微かな薄笑いが...
夢野久作 「名娼満月」
...この微かな焔の明りは...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...近習たちの微かな気配がうごき...
吉川英治 「大谷刑部」
...孔明の顔にうごいた微かなそれをも見のがさなかった...
吉川英治 「三国志」
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