...夢見るやうにうつとりとそれを聞いて微かな笑を漏らされた...
會津八一 「音樂に就いて」
...微かなる明暗の交替を現ずるのみで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...やがて霜の上にかさこそと微かな音をたてゝ落着くのだつた...
有島武郎 「秋」
...閃滅する、微かな光の中に、人々が、刀を持って立っているのが判った...
直木三十五 「南国太平記」
...やがて微かな響きが聞こえて来ました...
西尾正 「墓場」
...行灯や蝋燭の微かな灯りが...
萩原朔太郎 「月の詩情」
...侯爵の身震いを微かなものだが...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...意味不明瞭な微かな微笑をもらしながら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...突き崩された壁土がサラサラと微かな音を立てて床の上に落ちる...
久生十蘭 「魔都」
...微かなふるえを特有とする暗いまなざしを...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...微かながら悲哀の情が起こるのを覚えた...
水野葉舟 「帰途」
...殘り一パァセントだけの微かな希望は抱いておれる...
三好十郎 「肌の匂い」
...目には微かなかがやきがある...
森林太郎 「高瀬舟」
...硝子(ガラス)窓の外からは聞えぬくらい微かな...
夢野久作 「暗黒公使」
...微かな音を立てて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...その微かな気配を...
吉川英治 「江戸三国志」
...そこへ行くには、錠口(じょうぐち)があって、父の留守中は、用人でも入れないのに、誰か、微かな物音と、人の気配が中でする...
吉川英治 「柳生月影抄」
...タッタ一つ微かな輪を描いているきりであった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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