...心臓は微かながらまだ動いています...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...あんまり悲しげな微かな声だったので...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...微かながら血の色がさしている...
外村繁 「落日の光景」
...撲られたという微かな覚えだけがあった...
直木三十五 「南国太平記」
...日夜、わしは、それを念じて、わしの思うたことを、微かながら、実現しようとしている...
直木三十五 「南国太平記」
...微かなる脈搏のみであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...おいよさんが嫣然とする時には屹度口が小さく蹙まつて鼻の処に微かな皺が寄るのであつた...
長塚節 「隣室の客」
...到頭夏休み中かかって微かな火花の痕跡の写真が撮れるというところで満足するより仕方なかった...
中谷宇吉郎 「線香花火」
...微かな灯が僅かにもれるばかりの...
萩原朔太郎 「月の詩情」
...お前が語ったどんな微かな夢にもお前の顔附があって...
原民喜 「夢と人生」
...侯爵の身震いを微かなものだが...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...醒めきらない微かな眠さが反つて快かつた...
牧野信一 「円卓子での話」
...明治十年代から微かな自覚となつて芽ばえ始めた...
水野葉舟 「言文一致」
...――お前の着物を脱げ!恐怖の中に私は羞恥と微かな憤りを感じながら...
三好達治 「測量船」
...相澤と議(はか)りてエリスが母に微かなる生計を營むに足るほどの資本を與へ...
森鴎外 「舞姫」
...濱から來る海藻の微かな香もあつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...たまたま見える微かな明りは...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そこへ行くには、錠口(じょうぐち)があって、父の留守中は、用人でも入れないのに、誰か、微かな物音と、人の気配が中でする...
吉川英治 「柳生月影抄」
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