...夢見るやうにうつとりとそれを聞いて微かな笑を漏らされた...
會津八一 「音樂に就いて」
...微かなリズミカルな音がしているね』と...
海野十三 「街の探偵」
...中央にある明らかな一本の外に両側になお一本ずつ微かな縦縞の見えるものなどもあって...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...いくら上手に剥がしてもやはり微かながら痕跡が残る...
谷崎潤一郎 「鍵」
...作の陰に微かながらもある背景がある...
田山録弥 「自他の融合」
...まるで遙か野の涯に見る微かな一点の火のように...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...私はまた体に微かな揺らぎを感じた...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...行燈の微かな明りだけの中を...
直木三十五 「南国太平記」
...この見せかけの確信を支持する微かな理由があるとすれば...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...一方の机の脚と畳との間には微かな隙が生じて...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...漸く壜型の「私」に微かな眼鼻のあり所が感ぜられるところまですゝんだところ...
牧野信一 「心象風景」
...カンカンカンと鳴る微かな太鼓の音が...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...お祖母様や乳母や誰彼に聞かされたお化の話はすべてわが家にあった出来事ではないかと夜はいつでも微かな物音にさえ愕(おび)えやすかった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...微かな光線の中に一面に散らばった鋸屑(おがくず)の上に...
夢野久作 「名娼満月」
...いまだに微かな惜みすら...
吉川英治 「折々の記」
...それらの一・二例では、微かな、冒的な親近感を覚える付加的な環があり、あたかも私が、考えもできぬ程恐ろしく身の毛のよだつ何らかの宇宙的な経路を通じて、予めそれらの事例のことを聞き知っていたかのようだった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...部屋の玻璃窓の下にはすぐ小波がちゃばちゃばと微かな音を立てておる...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??