...微かな漣(さざなみ)が...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...やゝあつて多景島と白石島とが遠く水の上に微かな姿を現はしてきた...
近松秋江 「湖光島影」
...微かな笑(えみ)を見せて...
直木三十五 「近藤勇と科学」
...動く度(たび)に舌の摩(す)れ合う音でもあろう微かな声が出る...
夏目漱石 「幻影の盾」
...セエラはことという微かな音を聞きました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...その額に現われた微かな皺(しわ)の動きに...
服部之総 「空罎」
...ほんの微かな瞬一つからでも...
原民喜 「火の子供」
...思いがけないある微かな...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...胸の底にも鈴の音に似た微かなわらひらしい感情が芽生えてゐるらしいのを発見した...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...深い闇の中に微かな光を放つてゐた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...海の微かな吐息は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...微かなしかもおそるべき威嚇がこもっていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...――微かな生きものだ...
宮本百合子 「毛の指環」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...極く微かな常と異つた物音にでも...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...微かな物音が更けるまで庫裡(くり)に聞えた...
吉川英治 「親鸞」
...微かな風が窓から流れてランプの白い灯(ひ)がこころもち動いて居る...
若山牧水 「一家」
...廣い屋内の何處からか微かな讀經の聲が聞ゆる...
若山牧水 「比叡山」
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