...木部の目は好意を込めた微笑にひたされて...
有島武郎 「或る女」
...三枚ほどの硝子は微塵(みじん)にくだけて飛び散った...
有島武郎 「カインの末裔」
...先程の駅手が顕微鏡を持って来たので...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...お剰(つり)で若い妓(をんな)の微笑(わらひ)を購ふ位の財貨(かね)は...
薄田泣菫 「茶話」
...微風の快さであったろう...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...微暗(うすくら)い木立(こだち)の間にはそこここに瓦斯燈(ガスとう)が点(とも)って...
田中貢太郎 「水魔」
...お前と共に微妙の菩薩の相を現じて...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...微笑しながら娘のすることを黙って遠くから見ているばかりである...
近松秋江 「狂乱」
...彼はそれに微笑(ほほえ)みかけて抱擁した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...怪奇は、曾て怪奇なりしものが科学によって克服されればされる後から、愈々微妙に、複雑に、緻密にそれ自身を科学の隙間から突如として立ち現れ来るのである...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...悔とさびしい微笑としか持つてはをらぬけれど...
中原中也 「疲れやつれた美しい顔」
...――「僕はこの辺の人の言葉を聞くと微(かす)かな酔に身を任せたような気分になります...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...折(をり)ふしの庭(には)あるきに微塵(みぢん)きずなき美(うつ)くしさを認(みと)め...
樋口一葉 「曉月夜」
...少年から青年期の無思慮な思い出にたいしてさえも微笑むのだけれども...
宮本百合子 「現代の主題」
...源氏は斎宮の大人(おとな)びた返歌を微笑しながらながめていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...聖書の中の最も深い微妙な光に達し...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...同時に少年の唇に含まれた微笑が一層深くなった...
夢野久作 「暗黒公使」
...ふと上を仰ぐと建物の線や彫像の微妙な精緻さ...
横光利一 「欧洲紀行」
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