...宛然(さながら)人生の横町と謂つた様な此処を彷徨(うろつ)いて何か明処(あかるみ)で考へられぬ事を考へて居るのではないかと...
石川啄木 「葬列」
...とにかく岩蔵とドクトルと自分との外にもう一人の人間が彷徨していることは確かである...
海野十三 「地球盗難」
...毎夜のごとく魂を忘れたる人のように底しれぬ深き陶酔境(とうすいきょう)に彷徨(ほうこう)しつづけるのであった...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...新潮社版「虚構の彷徨」の中に編入されて在る...
太宰治 「『思ひ出』序」
...山頭火に与ふ酔中の自己打診自己批判自己忠告生死の一線彷徨超越逍遙七月四日曇...
種田山頭火 「旅日記」
...軍營彷徨(さまよ)ふは?汝は騾馬を求むるや...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そして裏の空地を彷徨(ぶらぶら)して...
徳田秋声 「黴」
...理想と煩悩の間に徘徊※徨せる著者が懴悔の一片とも見るべく...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...空に地に浮動し彷徨する...
豊島与志雄 「真夜中から黎明まで」
...うつつの彷徨(ほうこう)でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから僕は東京を彷徨つて行つた...
原民喜 「鎮魂歌」
...金剛砂(エムリ)とクワルツ土の広漠たる原野を彷徨したのち...
久生十蘭 「地底獣国」
...丸裸の状態で密林のなかを彷徨しているだけ...
久生十蘭 「ノア」
...出稼ぎして諸方を彷徨(うろつ)いてゐた方が...
ボレスラーフ、プルース 二葉亭四迷訳 「椋のミハイロ」
...あてのない彷徨(ほうこう)をつづけている...
本庄陸男 「石狩川」
...捜しておいでかもしれぬ」彼の彷徨(ほうこう)などは...
吉川英治 「私本太平記」
...恋々と彷徨(さまよ)ってきたかと訊かれれば...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「せがれようっ……又八ようっ……」空しく彷徨(さまよ)い歩いていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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