...とにかく彼はえたいの知れない幻(まぼろし)の中を彷徨(ほうこう)した後(のち)やっと正気(しょうき)を恢復した時には××胡同(ことう)の社宅に据(す)えた寝棺(ねがん)の中に横たわっていた...
芥川龍之介 「馬の脚」
...何か縋るものを見出したいそんな心の彷徨(ほうこう)のひとつの現われでもあったに違いないから...
高見順 「如何なる星の下に」
...「虚構の彷徨(ほうこう)」という私の第二創作集に...
太宰治 「小さいアルバム」
...その他、来春、長編小説三部曲、「虚構の彷徨...
太宰治 「HUMAN LOST」
...そこまで来て彷徨(ぶらぶら)していたこともあった...
徳田秋声 「黴」
...今まででもインテリゲンチャは決して単に消極的に彷徨していたわけではない...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...長い病に衰えきって幾度か危い境に彷徨した岡部...
豊島与志雄 「二つの途」
...一層頻繁に市内を彷徨し初めた...
豊島与志雄 「理想の女」
...彷徨はパリーっ児的である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...かえって旅人のような心持で巴里の町々を彷徨(ほうこう)している男の話が書いてある...
永井荷風 「銀座」
...まだ夢とうつつの境に彷徨(さまよ)うているもののようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...早くも庭と森の中へ身を彷徨(ほうこう)させて...
中里介山 「大菩薩峠」
...それからは年の若いのと運が向かないのとで家へ歸つた儘そここゝと彷徨つて別に目に立つことも無くて過ぎた...
長塚節 「商機」
...若い村の男等はどうかすると夜はうろ/\と其處らを彷徨うて女を探しに歩くのであります...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...ぐる/\と空間(くうかん)が廻轉(くわいてん)するやうに見(み)えつゝ飛(と)び散(ち)る忙(せは)しい雪(ゆき)の爲(ため)に遁(に)げ行(ゆ)く道(みち)を妨(さまた)げられたやうに低(ひく)く彷徨(さまよ)うて行(ゆ)く...
長塚節 「土」
...それから僕は彷徨(さまよ)って行った...
原民喜 「鎮魂歌」
...生と死との間を彷徨してゐる姿...
堀辰雄 「或外國の公園で」
...軽井沢で庭にまで排尿のため夜中に彷徨したことをかぞえると...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
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