...それに依(よ)ればたとい先方にて懇望致され候とも其方様の思召(おぼしめし)如何(いかが)にやと存ぜられ候節も有之(これあり)格別惜しき縁談にては御座なく候ただ其許(そこもと)様始め皆々様に御足労相かけ候段何ともお気の毒様にて申訳も無之候末筆ながらくれぐれも雪子様へ宜(よろ)しく御伝言被下(くだされ)たくお願い申上げ候かしく六月十三日菅野やす蒔岡幸子様御許へこう書いてあって...
谷崎潤一郎 「細雪」
...御許へ――」の歌声...
牧逸馬 「運命のSOS」
...若しもの時は後事よろしくお頼み申し候 尚私所有の遺物は大部分栄二へ御譲り下され度願上候父上は当分帰宅なき様子にて決して依頼心を起すことなく御身も自活の道を講ぜられ度願上候若し無事帰宅せば私も御身の滞在中その地へ参り種々心残りのこと伝へ置きたく思ひ居り候八月十日夜認む母より信一殿御許へ読み終ると彼は...
牧野信一 「スプリングコート」
...早速神様の御許へお返し申してお祈りしなければならないと僧侶と共々に促します...
牧野信一 「フアウスト」
...三〇 夜すえ子なつかしい……私の玉雄様御許へ二伸誠に恐れ入りますけれど...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...たびたび劉皇叔の御許へ...
吉川英治 「三国志」
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