...何とも御気の毒の至(いたり)に堪えない...
芥川龍之介 「葱」
...碌そつぽ大きな声も出し得ずに琴を掻き鳴らす姉妹等の如何にミゼラブルに見えたことよ! そしてさういふ姉妹等と生活すべき運命を有する若き男性の如何に御気の毒に考へられたことよ...
伊藤野枝 「「婦人解放の悲劇」自序」
...髯(ひげ)などはまことに御気の毒なくらい黒白乱生(こくびゃくらんせい)していた...
夏目漱石 「永日小品」
...家(うち)と財産を藤尾にやって、自分は出てしまうと云うんだとさ」「なぜでしょう」「つまり、病身で御叔母(おば)さんの世話が出来ないからだそうだ」「そう、御気の毒ね...
夏目漱石 「虞美人草」
...欽吾さんに御気の毒だから云ったんです」「よろしい...
夏目漱石 「虞美人草」
...本当に御気の毒ね」すべてを隠す事を知らない彼女はかつて自分にこう云った...
夏目漱石 「行人」
...下らぬことをだいぶ長く述べ立てまして御気の毒です...
夏目漱石 「中味と形式」
...そうして「御気の毒ですが...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...実際つまらない結果で御気の毒です」と言訳をつけ加えた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...そう責めるのも実際御気の毒よ」「そりゃ兄さんも忙がしいには違なかろうけれども...
夏目漱石 「門」
...御気の毒だけれども...
夏目漱石 「門」
...「寒いでしょう、御気の毒さまね...
夏目漱石 「門」
...本当に御気の毒さま」と云って笑い出した...
夏目漱石 「門」
...私は生れてから今日(こんにち)に至るまで歯軋りをした覚(おぼえ)はございませんと強情を張って決して直しましょうとも御気の毒でございますとも云わず...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「実に御気の毒さ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...この際利目が薄いから御気の毒ながら」と言うて戻して来た...
穂積陳重 「法窓夜話」
...毛虫多い処へ伴れ行きて毛虫がここを去るから御気の毒ですと悔みを述ぶ...
南方熊楠 「十二支考」
...ところが、役場へ行って見ると、係の人がニヤリと笑って、「それでいらしたのですか、御気の毒に...
柳田国男 「故郷七十年」
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