...旅人は心の中(うち)で、「これだ!」と思ったものですから、早速声を張り上げて、「鼠が一疋(ぴき)御入来(ごにゅうらい)、鼠が一疋御入来、」とつづけているうちに、棚の上の鼠はちょろちょろと逃げて行ってしまいましたので、「かと思ったら、すぐに逃げてしまったア、」といいました...
宇野浩二 「でたらめ経」
...おばあさんはそんな事とは知りませんからそれが真面目なお経だと思って、「鼠が一疋御入来、鼠が一疋御入来...
宇野浩二 「でたらめ経」
...ちょろちょろと御入来...
宇野浩二 「でたらめ経」
...「鼠が一疋御入来……」とおばあさんがいっています...
宇野浩二 「でたらめ経」
...いよいよ御入来だな」そういったのは...
海野十三 「爆薬の花籠」
...もし御都合もつき候えば御入来御両人にて一番御謡あらまほしく候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...近日美佐子同道御入来被下間敷候哉(ごじゅらいくだされまじくそうろうや)...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...……待つ身はつらいな、立つたり座つたり、やつと御入来、飲む、食べる、しやべる、そして歩く、ほろ/\だ、とろ/\だ、よろ/\だ...
種田山頭火 「其中日記」
...「時しもあれや、時こそあれ、一天俄に、掻き晴れて、眺め見渡す隅田川、あれ鳥が鳴く、犬が鳴く――総勢八千六百余騎、おめき渡って打ちかかれば、武田信玄公におかせられましては、いざ、強敵の御入来、せくな、騒ぐな、周章てるな、明日という日が無いじゃ無し、と、忽ち、備える、四十と八陣...
直木三十五 「南国太平記」
...「いや好男子の御入来(ごにゅうらい)だが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...御入来のせつは、なにとぞ、西側の裏木戸から...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ようこそ御入来」といいながら立ちあがって来た...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...泊りがけの御入来でね...
牧野信一 「心象風景」
...わが世界では御身の御入来ばかりを待ちつゝ...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...何といふ厳かなお姫様の御入来であらうよ...
牧野信一 「武者窓日記」
...昨日もまたわざわざ御入来の由を妻から承った...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...初孫の御入来ですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...東京見物のそのついでに拙宅へも御入来...
山本笑月 「明治世相百話」
便利!手書き漢字入力検索