...この見知らぬ男には何か妙な得体の知れないところがあって...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...或得体の知れない朗(ほがらか)な心もちが湧(わ)き上って来るのを意識した...
芥川龍之介 「蜜柑」
...得体の知れない一種の感情が揺曳(ようえい)しているような心もちがした...
芥川龍之介 「路上」
...得体の知れない或る不安の影を彼の心に投げた...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...わしはその時これまでついぞ経験したことのない得体の知れない悪魔が...
薄田泣菫 「独楽園」
...八郎は一眼見てこれが得体の知れない病気に罹っている武士の病人だなと思った...
田中貢太郎 「人面瘡物語」
...得体の知れない人物がどこか近くに潜んでいて...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...何か得体の知れない音楽が...
徳田秋声 「町の踊り場」
...得体の知れないものを描いた...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...それから得体の知れない髯(ひげ)文字がベタ一面に彫ってあったのを...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...得体の知れない包を尤(もっと)もらしく増屋へ運ぶというのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一方は得体の知れない洋装美人と...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...要するに得体の知れない人物さ...
久生十蘭 「金狼」
...葵はなにか得体の知れない感じにつき纒われ...
久生十蘭 「金狼」
...それだのに何か得体の知れない精霊(すだま)が彼の耳に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...大きい栗の木の枝に何か得体の知れないものが登っていて...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...得体の知れない西洋風のお面を頭の上にのせてゐる酔つた人が...
牧野信一 「お蝶の訪れ」
...何だか得体の知れない怖ろしい影がいつの間にか自分の後から翼を拡げて忍び寄つてゐるかのやうな不安に襲はれた...
牧野信一 「南風譜」
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