...或得体の知れない朗(ほがらか)な心もちが湧(わ)き上って来るのを意識した...
芥川龍之介 「蜜柑」
...得体の知れない一種の感情が揺曳(ようえい)しているような心もちがした...
芥川龍之介 「路上」
...得体の知れない、へんな男だな...
梅崎春生 「Sの背中」
...その他得体の知れないものには注意を要す...
谷譲次 「踊る地平線」
...得体の知れないものに...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...スポーツマンシップという得体の知れない幻影が正体に返る時である...
戸坂潤 「社会時評」
...得体の知れない「わたくし」という者が出て来て...
豊島与志雄 「作家的思想」
...得体の知れないその影が...
豊島与志雄 「ものの影」
...もう少し愛嬌のある口上は無いものかね」成程(なるほど)これは薄禿げた得体の知れない人物...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...得体の知れないものを描いた...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...得体の知れない水を舐めてみろと言われたには驚いたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夜中に得体の知れない者が忍び込んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...得体の知れない包を尤(もっと)もらしく増屋へ運ぶというのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...得体の知れない仮名文字が二十五ある」「ヘエ――」差し覗くまでもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...得体の知れない神秘主義が大手をふつて歩いてゐる...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...得体の知れない嫉妬さへ覚ゆるのだ...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...酒を飲まない時の私は普段でも吾ながら得体の知れない木像のやうにぎごちなかつたが...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...いつもかれに一滴の得体の知れないものを注いでいた...
室生犀星 「幻影の都市」
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