...得体の知れない、へんな男だな...
梅崎春生 「Sの背中」
...判断以上の何かしら得体の知れないものが彼の自信を失はせるのだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...得体の知れない人物がどこか近くに潜んでいて...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...何か得体の知れない音楽が...
徳田秋声 「町の踊り場」
...もう少し愛嬌のある口上は無いものかね」成程(なるほど)これは薄禿げた得体の知れない人物...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...矢張(やは)り得体の知れない唐草模様があるだけで...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...得体の知れない水を舐めてみろと言われたには驚いたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夜中に得体の知れない者が忍び込んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私の命も得体の知れない病気で断たれることでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...得体の知れない憂愁の情に襲われはじめた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...それを取囲んだ雪の上になんだか得体の知れない足跡が一ぱい残っている...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...なんだか得体の知れない空虚な気持を持てあましながら帰りつつあった...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...得体の知れない難し気な想ひに打たれながら...
牧野信一 「熱い風」
...得体の知れない嫉妬さへ覚ゆるのだ...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...たゞこれでは得体の知れない犯罪ばなしの筋書であるやうに見え...
牧野信一 「月評」
...酒を飲まない時の私は普段でも吾ながら得体の知れない木像のやうにぎごちなかつたが...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...得体の知れないけだものがぬけ去って本来の人に復(かえ)ったようで...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...病的な幻想のみがその原因を思い描けるような得体の知れない悪臭を嗅いだ時――それが死体の上ばかりではなく...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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