...また吉弥の旦那をもって得々としていたのである...
岩野泡鳴 「耽溺」
...運河説を得々と述べる者は...
海野十三 「地球を狙う者」
...博物館は模造品を得々として展覧に供し...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...得々としてわが身を陽気な憤りに駆りたてながら...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...得々として慈善心をほころばせて財布を開ける...
添田唖蝉坊 「乞はない乞食」
...自分の知識みたいにして得々として語るというのは...
太宰治 「誰」
...得々として語りだすので語るにふさわしい...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...どこともなく得々としたところが見透かされて...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...得々として細心に見守っているものである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その間のわたしの苦しみと来たら――なんて得々として吹聴するだらう――解つてゐますよ...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...自ら得々として「自己嫌悪に陥つた...
牧野信一 「鏡地獄」
...」とは云ひながらも得々として女国へ入つた...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...得々としてひとりで読み返して見ましたところ――何とまあ私は...
牧野信一 「船の中の鼠」
...はつと思ふ間に卑しげな流行歌が得々として彈き出された...
水野仙子 「輝ける朝」
...彼が得々として善事をしたと思って居られるのが堪らない憎さ...
宮本百合子 「有島武郎の死によせて」
...しかも得々として眼をつぶる者さえ些(すく)なくないのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...あの小説は目新しいとかいはれるので得々として書いてゐた...
吉川英治 「折々の記」
...ずいぶん褒めてもらうつもりで市松は得々と戦況をはなした...
吉川英治 「新書太閤記」
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