...ラップは得々(とくとく)と僕といっしょにこの大寺院へ出かけました...
芥川龍之介 「河童」
...しかし又彼の友だちの前に得々と話して聞かせるには何か気のひける幸福だった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...綿布でも綿の入った着物を着ていれば僕はそれで満足している」と得々(とくとく)としていった...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...得々として肩で風をきっていたものである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...得々(とくとく)としていた時など...
太宰治 「ろまん燈籠」
...得々として細心に見守っているものである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...得々としてこの事を古参に話した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...伝法肌のつもりになつて得々としてるのだ...
中原中也 「我が生活」
...「生活と芸術」について旧時代の批評家が得々と述べたものは...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...氏が維新(いしん)の朝(ちょう)に青雲の志を遂(と)げて富貴(ふうき)得々(とくとく)たりといえども...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...身に余る面目に昇は得々として満面に笑いを含ませ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...婦女を欺すかの如き業を寧ろ得々としてゐるかの如き輩であつたから...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...その間のわたしの苦しみと来たら――なんて得々として吹聴するだらう――解つてゐますよ...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...得々仰彼蒼...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかも得々として眼をつぶる者さえ些(すく)なくないのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...わがおあるじを頌(たた)えることに得々となって...
吉川英治 「私本太平記」
...得々(とくとく)として去った...
吉川英治 「新書太閤記」
...何処まで行くのでございましょう」二人の間に挟まって城太郎はもう得々と元気に返っていて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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