...實功の方面から云へば出來ない相談は無用なる精力の徒費である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...君がいまだに大切な時を徒費しているという白状だ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...我々は時間を徒費しつつ電車の恩徳を難有がらなければならんのだ...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...この間に年月を徒費せしこと...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...そしてわたしはそれらのもっと多くを工場のなかや教師の机のうえで徒費したかったのを悔いはしない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...なんで時間を徒費することがいろう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...ただ科学の野辺に漂浪して名もない一輪の花を摘んではそのつつましい花冠の中に秘められた喜びを味わうために生涯を徒費しても惜しいと思わないような「遊蕩児(ゆうとうじ)」のために...
寺田寅彦 「科学に志す人へ」
...しからばすなわちこれらの戦争において欧州諸国が徒費したるの貨財はそれいくばくぞや...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...如何に煩雑な労力がそこに徒費されているか...
豊島与志雄 「「自然」」
...しかしわたしはこれがために幾多の日子(にっし)と紙料とを徒費したことを悔(く)いていない...
永井荷風 「十日の菊」
...人間労力の徒費に逆転することになったというわけになるのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...築き上げた労力だけを徒費した訳になる...
夏目漱石 「野分」
...釣魚と鳥追ひといつた無為の業(わざ)に徒費してゐたが...
平田禿木 「趣味としての読書」
...尚其徒費を繰返し...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...それを私は徒費しまいと思って居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...敢て自家のために徒費しなかつたものであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...保さんの精力は徒費せられたといわざることを得ない...
森鴎外 「渋江抽斎」
...手工のみでは労力の徒費があり...
柳宗悦 「工藝の道」
便利!手書き漢字入力検索