...只自身家庭趣味の経験に乏しく、或は陋劣なる家庭にありながら、徒らに口の先、筆の先にて空想的家庭を説くは、射利の用に供せらるる以外には、何等の意義なしと云ってよかろう...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...義雄はそれを徒らに手段と見ず...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...修驗者のやつてゐる祈祷も後には徒らに病人を焦立たせるのみとなつた...
田山花袋 「道綱の母」
...いかにも幼年学校の生徒らしい...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...生徒らの目には世界が急に素量的に飛躍したように感ぜられた...
寺田寅彦 「野球時代」
...――徒らに反動期や退潮期を論じるべきではない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...何となれば是れ徒らに伊藤侯及び自由黨の反感を買ふに過ぎざればなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...飢餓階級の使徒らが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...カトリック教徒らが聖母を信ずると同じように彼らは理性を信じていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...徒らに悲しみを与えるだけだ...
豊島与志雄 「病室の幻影」
...それかあらぬか彼はただ徒らに気を弱くされてゐた...
中原中也 「思ひ出す牧野信一」
...われの如き怠惰の生徒ら...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...人影なき地畔を照らして徒らに煌々...
久生十蘭 「魔都」
...徒らにオーオーなどと...
牧野信一 「蔭ひなた」
...「生首正太郎」や「閻魔の彦」や「山田実玄」や徒らに血糊沢山の書生芝居...
正岡容 「大正東京錦絵」
...おのれを知らず敵を知らずして徒らに干戈(かんか)を執(と)るものは亡びる...
山本周五郎 「新潮記」
...徒らに己れ高しとして言つて來た「低俗」といふ民衆に對しての無禮なる言葉を...
吉川英治 「折々の記」
...徒らに赤穂へ帰って来たものでないことを断っておきますぞ』内蔵助の指に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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