...徒らに猛り狂ふて...
巌谷小波 「こがね丸」
...しかし手は徒らに草の葉の向うをさぐりつづけた...
立原道造 「夏秋表」
...徒らに君の望を裏切らず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その結果は、折角連携の気運にあった政民の関係を再び対立に陥れたばかりではなく、政友会自身の内部的崩壊をさえ招きそうになり、徒らに内閣と、新官僚と、新党樹立派とに有利な機会を提供したに過ぎなかったが、尤も次の第六十七議会には可なりの波瀾を巻き起こすだろう...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...しかし徒らな切歯扼腕であってはならない...
戸田豊子 「鋳物工場」
...そして何と莫大な脳力の徒らな消費だろう...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...暴徒らは不意を打たれたがなお辟易(へきえき)せず...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...暴徒らはただアンジョーラひとりの監視の下に...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...暴徒らからは人家の角(かど)で隠されていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...反徒らは城壁の上に拠(よ)っていて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...徒らに高く構えて人情自然の美を忘るる者はかえってその性情の卑しきを示すに過ぎない...
西田幾多郎 「我が子の死」
...陰々として草木が密生する地上を爬虫類のみが徒らに跳梁する光景が残されるばかりではあるまいか...
原民喜 「平和への意志」
...それで生徒らは(自分達のこの特權を使用した)...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...不幸な空想に走ることは徒らに己れを傷けることだ...
牧野信一 「明るく・暗く」
...徒らにあれやこれやと想像するばかりである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...何處までも徒らに出來た子になツてゐたからと謂ツて...
三島霜川 「平民の娘」
...彼は毎日徒らに手に取上げては又もとの書棚にかへす「日本橋」に不思議な愛着を感じて來た...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...士らしい服装の者あり、浪人らしき者、士とも町人ともつかぬ様子の者、博徒らしい者、中の一人は坊主頭で、ころもを着ている...
三好十郎 「斬られの仙太」
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