...後見座にゐても、地謡の中に交つてゐても、彼が目を光らしてゐる限り、舞台は奇妙に引きしまつて、隠然たる一箇の舞台監督者であつたことは皆人の知るところであるが、九郎歿後そんな有力な舞台監督者を一人として発見することができないのは、能界の混沌状態を如実に暴露してゐるものと言はなければならぬ...
野上豊一郎 「演出」
...『敦盛』じゃったのう」「ハイ」と答えたまま筆者は後見座に釘付になって立上れなかった事を記憶している...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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