...遠方から背後目懸けて短剣を抛げた...
海野十三 「深夜の市長」
...俯伏したままの野本氏を後目(しりめ)にかけてすっと座敷から出た...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...後目にかけて席を立ち...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...手術後目立っておとなしく上品にはなったが...
寺田寅彦 「備忘録」
...その吠え面(づら)を後目(しりめ)にかけながら...
中勘助 「銀の匙」
...お銀様は冷笑気味で後目(しりめ)にかけて...
中里介山 「大菩薩峠」
...左様な噂を一切見えぬ後目(しりめ)にかけて...
中里介山 「大菩薩峠」
...後目(しりめ)に余が驚愕(きょうがく)と狼狽(ろうばい)を心地(ここち)よげに眺(なが)めている女を...
夏目漱石 「草枕」
...いいからいらっしゃいよ」と女は高柳君を後目(しりめ)にかけたなり塩瀬を引っ張って行く...
夏目漱石 「野分」
...「三十五(トラント・サン)……黒(ノアール)……奇数(アンペア)……後目(パツス)……」などと一週間も前に出たモンテ・カルロのルウレットの出目を読みあげていたが...
久生十蘭 「黒い手帳」
...叔父歿につき後目を叔母がつぐことの親族会議で...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...落語家を廃めてあいつに後目を譲ってやんねえ...
正岡容 「小説 圓朝」
...舞衣姿(まいすがた)のまま酌をしようとするお春を後目(しりめ)にかけて...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...皇子のお生まれになって以後目に立って重々しくお扱いになったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「夕露にひもとく花は玉鉾(たまぼこ)のたよりに見えし縁(えに)こそありけれあなたの心あてにそれかと思うと言った時の人の顔を近くに見て幻滅が起こりませんか」と言う源氏の君を後目(しりめ)に女は見上げて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...覚めて後目は遠きに精しく耳は密に聞き...
柳田国男 「雪国の春」
...逃げなだれた泊兵(はくへい)の勢(ぜい)を後目(しりめ)に自陣の方へ帰りかけるところだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??