...先棒の姿は後棒に見えるが...   
伊丹万作  「演技指導論草案」 
...後棒へ「妙ちきりんなものが...   
直木三十五  「南国太平記」 
...後棒と先棒との見合わせる目から火花が散って...   
中里介山  「大菩薩峠」 
...後棒の若い衆は思わず跳ね飛ばされて尻餅をつくと...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...駕籠を担いだ後棒の注意も惹(ひ)かず...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...後棒を担いだ若い者は...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...少し重いやうに思ひましたが」後棒の老巧なのが小首を傾(かたむ)けるのです...   
野村胡堂  「錢形平次捕物控」 
...後棒(あとぼう)の方だ...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...後棒へまた二人取りついて...   
久生十蘭  「顎十郎捕物帳」 
...後棒につかまっているのが...   
久生十蘭  「顎十郎捕物帳」 
...八雪之丞が、通りの向うの闇を見つめたまま、前に据えられた辻駕籠に、乗ろうとしないので、駕籠舁(かごかき)が、「さあ、どうぞお召しなすって――」雪之丞は相変らず、瞳を前方に注いだまま、心がここにない風で、「たしか、闇太郎、御用と言ったように聞えましたが――」「へえ、何だか、そう申したようでございましたね」と、後棒が答えて、蔑(さげす)むような口調になって、「なあに、あなた、この辺の見廻り役人や、目明し衆が、十人十五人で追っかけたって、闇太郎とも云われる人を、どうして、捕(と)っつかめえることが出来ますものか――」その調子に、何となく役人に追われる者の方に、却(かえ)って同情が濺(そそ)がれているのを感じながら、心を残して雪之丞は、しとやかに駕籠に身を入れる...   
三上於菟吉  「雪之丞変化」 
...「後棒、それじゃ太夫さんのお言葉にしたがったほうが――」「その方が気持がいいとおっしゃるなら――」一人が揃えた雪駄(せった)に、内端(うちわ)な白足袋(しろたび)の足がかかる...   
三上於菟吉  「雪之丞変化」 
...「して、お客ッてえのは?」「さあ、ねえさん、出なせえったら――」と、後棒――さては、悪い雲助に、かどわかされた――と今更、思い知った浪路、逃れるにも逃れるすべもなく、かごの中に、小さく身をそぼめ、しっかと、細い手で、枠につかまっている、その白い手を、つかもうとして、「さあ、こんな寒いところにいねえで、うちの中へおはいんなせえよ――な、わるいようにはしねえんだ――ねえさん――出なせえよ」「後棒、何を、やにッこいことをいっているんだ!」と、先棒が、これに手荒く、ズカズカと寄って来て、「これ、娘、出ろッたら出るんだ!夜(よる)よ中、町中を、気ちげえ見てえななりで、ほっつきあるいているから、折角、ここまで連れて来てやったんじゃあねえか? あッたけえ、火の側に寄せてやろうというんじゃあねえか? 出ろ! 山ノ宿も、糞もあるものか?」後棒が、猫撫で声で、「さあ、兄貴が、あんなにおこるじゃあねえか――騒いで見たってここは、こんな田ん圃中、どうなるもんだ...   
三上於菟吉  「雪之丞変化」 
...「旦那」走りながら後棒(あとぼう)がいった...   
吉川英治  「鳴門秘帖」 
...そしては後棒(あとぼう)の雲助(くもすけ)に...   
吉川英治  「梅里先生行状記」 
...と口ぎたなく罵られるので、介三郎が見かねて訊ねてみると、後棒が、――こいつはまだ、箱根で稼ぐなんざ、無理なんでさ...   
吉川英治  「梅里先生行状記」 
...後棒者も駕もすてて...   
吉川英治  「梅里先生行状記」 
...竹の四ツ手がついている笊(ざる)の中へ人間が乗って、後棒と先棒が、「エ、ホ」「ヤ、ホッ」まるで荷物みたいに担(かつ)いで来るのだ...   
吉川英治  「宮本武蔵」 
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