...後学のために、よーく上からながめておれ! 城代石藤左近将監の立ち腹の切りかたと、申すはな……まず、臍(へそ)の下一寸左脇腹へ突きたてて、右へまわし……」とうとうじぶんの腹へ、刀を突きたててしまいました...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...「其処許も後学のために...
田中貢太郎 「人面瘡物語」
...後学のために見て置くことさ」と...
田中貢太郎 「魔王物語」
...後学のために聞かして欲しい」とか...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...身を謙下(へりくだ)っても後学のために見ておきたいと思っていたところでありましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...後学のためにひとつ見て置いてやろうかな...
中里介山 「大菩薩峠」
...ははあ、宿許を出立の時、短気を起して手出しをするなと、道庵先生に誡められたのはこの辺だな――何かふざけて仕組んだ芝居に相違ない、少し離れて見ているに限る――車を少し遠のけて、油断なくながめていると、その時、道庵は金十郎の前へ出て、「わしは道庵に違えはねえが、何もお前さんたちに恨みをうける覚えはねえ」「この場に及んで覚えなしとは白々しい、後学のため、積る怨(うら)みの数々を言って聞かそう...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから、もう一つは、大阪の城内から将来した最も由緒ある豊臣太閤秀吉の坐像がおありだそうだ」「いや、それはどうも……」「それと、もう一つ、淀君から、秀頼をよろしく頼むとさる人に宛てて細々(こまごま)と書いた自筆の消息状、並びに、豊臣秀頼八歳の時の直筆(じきひつ)がお有りだそうだ、後学のために、ぜひ、それらは拝見いたしておきたいと、わざわざ道をまげておたずね致したものでござる、何卒、折入ってひとつ、拝見の儀、お願い申したき次第でござります」と道庵が、至極テイネイに頭を下げたものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...後学のため話だけでも拝聴して帰ろうとようやく肚(はら)の中で決心した...
夏目漱石 「琴のそら音」
...大変な手違いをするところだった」「と言うと」「後学のためだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...後学のために言っておくが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは後学のために聴いておきたいんだが――」平次の問は尤(もっと)もすぎるほどでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...後学のために千里の虎の姿だけでも拝ませてやらア」と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何も後学のためだ」「それじゃ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...後学のためだ、一緒に来るがいい」二人はそのまま、浜町の吉三郎の家へ飛んだことは言うまでもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...上陸して直江津の女郎買いを「後学のため」にして...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...「後学のために聞きましょう」と米良は云った...
山本周五郎 「末っ子」
...ドンナ工合に並んでいるものか後学のために見ておきたかったのだ...
夢野久作 「無系統虎列剌」
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