...「後学のためだ、一つ我慢して泊って見るか...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...後学のために、おたずねする...
太宰治 「眉山」
...「其処許も後学のために...
田中貢太郎 「人面瘡物語」
...そのうちにトーキーが始まるというので後学のために出かける...
寺田寅彦 「映画時代」
...ははあ、宿許を出立の時、短気を起して手出しをするなと、道庵先生に誡められたのはこの辺だな――何かふざけて仕組んだ芝居に相違ない、少し離れて見ているに限る――車を少し遠のけて、油断なくながめていると、その時、道庵は金十郎の前へ出て、「わしは道庵に違えはねえが、何もお前さんたちに恨みをうける覚えはねえ」「この場に及んで覚えなしとは白々しい、後学のため、積る怨(うら)みの数々を言って聞かそう...
中里介山 「大菩薩峠」
...のろまはそれと違って、「そいつは、面白い目論見でござんすね、後学のために、そのなれ合い合戦をひとつ見物さしていただくことに致しやんしょう」ここで、二人の意見が二つに分れました...
中里介山 「大菩薩峠」
...もし貴様が途中、穏かならぬ気振(けぶり)でもしようものなら、その瞬間に、そのでぶを二つに斬られてしまうのだ、おどかしではない、事実を言うのだ、よく見て置かっしゃい、あの長いのを――」田山白雲は、改めて柳田平治を、裏返し表返してマドロスに紹介して後、「柳田君、後学のためだ、一つこの男に型を見せてやってくれまいか」「よろしうござる」柳田平治は一方の板の間へしさったかと思うと、そこで電光石火の如く、居合を三本抜いて見せて、四本目に、あたりをちょっと見廻したが、そこに落ち散った黒い焼餅の一つを取ると、縛られたマドロスの頭の上に置き、二三歩踏みしさって、颯(さっ)と一刀を抜いたと見ると、「ワアッ!」マドロスは目がくらんで絶叫したが、マドロスの膝の前に二つになって落ちたのは、マドロスの自身の首ではなくて、今の焼餅でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...後学のために一つ聞いて置きたいのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...後学のため聞いておけと云うんです」「そりゃ面白い...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...大変な手違いをするところだった」「と言うと」「後学のためだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...後学のために」「チェッ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは後学のために聴いておきたいんだが――」平次の問は尤(もっと)もすぎるほどでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...後学のためだ、一緒に来るがいい」二人はそのまま、浜町の吉三郎の家へ飛んだことは言うまでもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...後学のために見ておれ」と言うわけです...
三好十郎 「恐怖の季節」
...「後学のために聞きましょう」と米良は云った...
山本周五郎 「末っ子」
...ドンナ工合に並んでいるものか後学のために見ておきたかったのだ...
夢野久作 「無系統虎列剌」
...後学のため諸国の地理や築城を見学しておる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...また、こういう場所に臨むもののふの心構えというものを、後学のため、遠くからでもよく見届けておけといったのであろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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