...この件に関しては、以後口外しないようにしてください...
...じっと後口(あとくち)を味っていたが...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...どうも後口が悪くていけない...
辰野隆 「銷夏漫筆」
...入れば入ったきり一つ座敷で後口もなく...
徳田秋声 「縮図」
...時には後口がかかって来たりした...
徳田秋声 「縮図」
...後口のよくねえことがあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いつもの人を縛った後口の悪さを舐(な)めているのでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かように変化した形は鎌倉時代以後口語には盛に用いられたのであって...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...後口小伝馬町(こてんまちょう)の牢屋敷...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「あなた、それは聞きちがいじゃないのかしら……お隣家(となり)のミドリさまが、頭が変になるほど熱中していたのは、ワニさんとかエルマンさんとかいう、煤黒い比島人のほうだったのでしょう?」ヘンリ清水は、おさまりかえった顔で、「エルマンなどは、後口も後口、食卓のコースなら、デザートのアイス・クリームといったところなんで……シュラーがアメリカへ帰ったのは、一昨年(おととし)の冬ですが、いいくらいに遊ばれたことがわかったもんだから、それで、ぼうとなって、誰彼の見さかいがつかなくなり、東側の地境になっている垣根の壊れたところから、ひょろりと入りこんでは、この収用住宅に住んでいるやつに、片っぱしから因縁をつくった……ご承知のように、いきなり引抜きになって、なにもかもお眼にかけっちまうんだから、話の運びは早いでさ」賢夫人は、腹をたてたときの冷酷な顔つきになって、「それは初耳でした……すると、お隣家(となり)の太田さんの親娘がシュラーをおさえつけて、千々子に逢いに来るのを邪魔している……そういう意味なんですね?」「あっさりいっちまえば、まァ、そういうこってす...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...後口(あとくち)が悪いなあ...
火野葦平 「花と龍」
...藤山つひに不調、感じの悪い加納と電話で話し、後口悪し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...後口の悪いこと...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...何としても笑ひが少いが、品のいゝのが、後口をよくする...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...果して今日も後口いと悪し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...鳥羽伏見の戦争は、直(す)ぐにつづいて上野黒門の彰義隊、白河口、越後口、会津となって、奥羽越の諸藩が動き、そのなかのある部分を――阿賀妻らも自分の部署として受けもったわけである...
本庄陸男 「石狩川」
...よしんば勝ったにしてもひどく後口のわるいものであったに違いない...
本庄陸男 「石狩川」
...その後口を洗い歯を潔(きよ)めやると見え...
南方熊楠 「十二支考」
...八十三郎も後口(あとくち)にひかえているに...
吉川英治 「松のや露八」
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