...この件に関しては、以後口外しないようにしてください...
...どうも後口が悪くていけない...
辰野隆 「銷夏漫筆」
...すぐ後口がかかり...
徳田秋声 「縮図」
...後口々々と廻すように舵(かじ)を取るんです...
徳田秋声 「縮図」
...自分の言葉の後口がいかにも苦(にが)いかのようにようやく唾(つば)をのみ込んで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...石見守は腹心の家来石坂左門次(いしざかさもんじ)に命じて、その黄金を箱根山中の何処(どこ)かに隠させ、後口実を設け、黄金を隠した家来――石坂左門次を斬り、絵図面だけを手筐(てばこ)に入れて、寝間の床下に埋めて置いた」「――――」「その手筐は公儀役人に没収されたが、役人に見付けられる前、総領の藤十郎はそっと絵図面だけを抜出(ぬきだ)し、恐ろしい災禍の身に及ぶのを覚って、七つに切って七人の兄弟に頒(わ)け、秘(ひそ)かに七人の子孫に伝えて、何時(いつ)かは七枚一時に世に出て、秘めた七万両の宝が、大久保家の再興に役立つように念じて刑死した」「――――」「七つに切った絵図面は、大久保石見守の百年忌に、箱根の山の間道で一緒に集まることになったのだ...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...後口(あとくち)のよくねえことがあります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...後口のよくねえことがあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何時もの人を縛つた後口の惡さを舐(な)めて居るのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれは石井家の倅の幾太郎に嫁合(めあわ)せることになったそうだから」平次は後口の悪さは兎も角...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かように変化した形は鎌倉時代以後口語には盛に用いられたのであって...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...「あなた、それは聞きちがいじゃないのかしら……お隣家(となり)のミドリさまが、頭が変になるほど熱中していたのは、ワニさんとかエルマンさんとかいう、煤黒い比島人のほうだったのでしょう?」ヘンリ清水は、おさまりかえった顔で、「エルマンなどは、後口も後口、食卓のコースなら、デザートのアイス・クリームといったところなんで……シュラーがアメリカへ帰ったのは、一昨年(おととし)の冬ですが、いいくらいに遊ばれたことがわかったもんだから、それで、ぼうとなって、誰彼の見さかいがつかなくなり、東側の地境になっている垣根の壊れたところから、ひょろりと入りこんでは、この収用住宅に住んでいるやつに、片っぱしから因縁をつくった……ご承知のように、いきなり引抜きになって、なにもかもお眼にかけっちまうんだから、話の運びは早いでさ」賢夫人は、腹をたてたときの冷酷な顔つきになって、「それは初耳でした……すると、お隣家(となり)の太田さんの親娘がシュラーをおさえつけて、千々子に逢いに来るのを邪魔している……そういう意味なんですね?」「あっさりいっちまえば、まァ、そういうこってす...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...ふざけすぎの後口わるし...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...藤山つひに不調、感じの悪い加納と電話で話し、後口悪し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...後口の悪いこと...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...果して今日も後口いと悪し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...よしんば勝ったにしてもひどく後口のわるいものであったに違いない...
本庄陸男 「石狩川」
...「どうも後口(あとくち)が悪うて悪うてまあだムカムカします...
夢野久作 「近世快人伝」
...八十三郎も後口(あとくち)にひかえているに...
吉川英治 「松のや露八」
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