...後ろ指をさされないだけの世渡りをして...
有島武郎 「或る女」
...若い時に亭主(ていしゅ)に死に別れて立派に後家(ごけ)を通して後ろ指一本さされなかった昔気質(むかしかたぎ)のしっかり者だけに...
有島武郎 「或る女」
...私もあの子には世間から後ろ指を差されるようなことはさせたくありません...
徳田秋声 「縮図」
...ここから逃げ出したと後ろ指をさされることもないのだ...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...後ろ指をささせて...
直木三十五 「南国太平記」
...それにうつつを抜かして世の人に後ろ指ささるるようなことがあらば...
中里介山 「大菩薩峠」
...あらゆる人々は後ろ指を差し...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...村松金之助は藩中の朋輩達に後ろ指を差され乍ら...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...後ろ指をさされるような心持で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...尻尾を巻いて引き下がってしまったようなわけだ」「…………」「世上の人が後ろ指をさしているようで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...越後屋の聟になれば人に後ろ指は差させない――などと良い心持さうに脂下(やにさが)つて居たと苦々しく話してくれるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世の後ろ指を背中に感じ乍らも...
野村胡堂 「百唇の譜」
...後ろ指を差したりする有様だったのです...
野村胡堂 「百唇の譜」
...おとなしい私に恰も憎むべき罪があるかのように軽蔑の後ろ指をさして...
牧野信一 「ゼーロン」
...それまで私に出遇ふと何故か冷酷な軽蔑の後ろ指をさして大手を振つてゐた村会議員の何某達が...
牧野信一 「バラルダ物語」
...頭からげら/\と笑はれて後ろ指を差されてしまつたのだつたら無事であつたらうに...
牧野信一 「武者窓日記」
...後ろ指さされたことだろう...
正岡容 「小説 圓朝」
...仲間の誰彼がハッキリ後ろ指を指しはじめた...
正岡容 「小説 圓朝」
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