...ノラ 後々までも? 私がゐなくなつてからも――?クログスタット 貴女の名譽は私の手に握つてる事を忘れましたね(ノラ無言で立ち上り...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...読者はこの些細(ささい)な出来事を後々まで記憶にとどめて置いて頂きたい...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...後々問題を起さぬという約束で十二分の手当を与えて花との手をきられた事も...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「美人鷹匠」
...いつまでもその場に居残っていて後々へ禍を及ぼすとか...
大阪圭吉 「坑鬼」
...これから後々自分が忍んでゆくところにしようと思っている清月に柳沢と一緒にゆくのは厭であった...
近松秋江 「うつり香」
...人の口に後々まで好い評判となって残されようと思うのが虚栄になるんだ...
永井隆 「この子を残して」
...あれは後々まで随分役に立ったものだった...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...後々までこの娘の噂をして居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「ちよいと現場を見せて頂きます、若旦那の半次郎さんも、それが望みだ相で」「それはもう、親分方に見て戴いて、どうして斯んなことになつたか、後々のためにも、はつきりして置くに越したことは御座いません、これよ、九八郎どん、親分方を離屋へ御案内申すがよい」源兵衞の聲に應じて、「へエ、へエ、どうぞ此方へ」と飛んで來たのは、主人と同年輩の五十五六、主人の源兵衞が、運動不足で、肥り過ぎた身體と、大町人らしい鷹揚(おうやう)さを持つて居るのと反對に、痩せて、皺(しわ)だらけで、蒼黒くて、老狐のやうな感じのする男でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後々は非常に親しくなった人である...
柳田国男 「故郷七十年」
...後々時にも場所にも構はずに...
柳田國男 「兒童語彙解説」
...男も後々(のちのち)は小倉織(こくらおり)のような地の詰まったものを詰襟(つめえり)にして...
柳田国男 「木綿以前の事」
...後々まで語り草になったらしいが...
吉川英治 「上杉謙信」
...退屈まぎれの後々(のちのち)のよすがにもと...
吉川英治 「江戸三国志」
...後々の、弊害も大きい」「てまえも、心をくだきおりますものの、何せい、明らかな、事実があるので」「藪八は、智者ではなかったかの...
吉川英治 「大岡越前」
...わしも、その一瞬ばかりは、後々まで、ひとみに深く焦(や)きつけられて忘れることができなかった...
吉川英治 「茶漬三略」
...後々のことは案ぜられるな...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ところで、後々まで、このときのぼくの失敗を、生前の母ともよく思い出しては笑い話にした事だったが、ぼくは弟の知らせで、一家が餓死寸前の急場のように感じたので、家へ行く途中で、蕎麦屋(そばや)で蕎麦のカケを幾杯か註文していた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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