...後々(のち/\)次第(しだい)に工(たくみ)を添(そへ)て糸に縷(より)をつよくかけて汗(あせ)を凌(しの)ぐ為(ため)に(しゞま)せ織(おり)たるならん...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...後々へ語り継ぐべき苦心の物語があるものです...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...猪(いのしし)が梯子(はしご)からころげ落ちたみたいの言語に絶したぶざまな恰好(かっこう)であったと後々の里の人たちの笑い草にもなった程で...
太宰治 「新釈諸国噺」
...後々の話を簡単にするためには...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...こんな機会に後々の事も話しておきたいと思っているのに――「おふじ...
戸田豊子 「鋳物工場」
...後々までの頼りにはならない...
豊島与志雄 「山吹の花」
...後々は私もそれが着られるから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...「御父さまが後々(のちのち)のためにちゃんと一纏(ひとまと)めにして取って御置(おおき)になったんですって」「そうか」健三は自分の父の分別と理解力に対して大した尊敬を払っていなかった...
夏目漱石 「道草」
...私は後々の為に其の二つの記事をスクラップして置きましたが...
西尾正 「陳情書」
...一つは後々(のちのち)の人の為(た)めにもと思ったので...
沼田一雅 「暗夜の白髪」
...「ちよいと現場を見せて頂きます、若旦那の半次郎さんも、それが望みだ相で」「それはもう、親分方に見て戴いて、どうして斯んなことになつたか、後々のためにも、はつきりして置くに越したことは御座いません、これよ、九八郎どん、親分方を離屋へ御案内申すがよい」源兵衞の聲に應じて、「へエ、へエ、どうぞ此方へ」と飛んで來たのは、主人と同年輩の五十五六、主人の源兵衞が、運動不足で、肥り過ぎた身體と、大町人らしい鷹揚(おうやう)さを持つて居るのと反對に、痩せて、皺(しわ)だらけで、蒼黒くて、老狐のやうな感じのする男でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後々(だん/\)呂昇はんのやうな娘義太夫(ぎだいふ)にすると云つて...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...後々(のちのち)そのために狗の供養(くよう)をすることになったというので...
柳田国男 「海上の道」
...後々便利のためにつけた小路が...
柳田国男 「年中行事覚書」
...――すでにここで突き殺されて死ぬる気でございましたから、後々、御奉公には、生命(いのち)惜しみはしまいと、自分でも思われます...
吉川英治 「新書太閤記」
...先刻(さっき)、九郎兵衛に叱られた微笑を又ちらと見せて、『後々の儀も、心得ぬではございませぬ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...祖先の恩、君公の恩は、忘れんとしても忘れようもないが、一頃(ひところ)、露命をつないだ馬の沓の恩は忘れそうじゃと、後々、誡(いまし)め合うて、細川家へお抱えとなった今月の今日を、毎年の寄合い日と決め、こうして藁(わら)の莚(むしろ)に、昔をしのび、三つの恩を胸に新たにしながら、貧しい酒もりを、大きく歓びおうている次第でござる」孫兵衛丞は、そういい足してから、武蔵へ杯を向けて、「いや、われらのことのみいうて許されい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...しかしそれが後々のぼくに影響が無かったとは云いきれない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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