...芭蕉扇を手にして徘徊するを見る...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...道路を歩まないで山林を徘徊(はいかい)するものは警戒される...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...いわば大勢に関係なきものにてただ風呂桶に低徊しているのではありませんか...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...心は渺(びょう)として空(むな)しく河上を徘徊(はいかい)するという間の抜けた有様であった...
太宰治 「竹青」
...この辺はもはやコンゴー南東部を北ローデシヤ国境方面へ限る大密林の連続地帯であったからもちろん類人猿(ポンゴー)の徘徊(はいかい)することになんの不思議もなかったが...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...云わば貴族的で徊的だとでも云おうか...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...リュクサンブールのあの見知らぬ徘徊者(はいかいしゃ)を...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...婆は最初から清岡が時ならぬ時分この近所を徘徊(はいかい)していたらしい様子といい...
永井荷風 「つゆのあとさき」
......
中里介山 「大菩薩峠」
...虚子の小説には此余裕から生ずる低徊趣味が多いかと思う...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...勝敗は多少意味が違うが兎(と)に角(かく)腕白な子供と爺(じい)さんの対話其物に低徊拍掌(ていかいはくしょう)の感を起さなくては意味さえ分らなくなる...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...寐耄(ねぼ)けた昔(むかし)に徊(ていくわい)する程(ほど)...
夏目漱石 「門」
...怪しい人物たちが徘徊しはじめた...
火野葦平 「花と龍」
...奴の話では私が徘徊しておって...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...「松門暁到月徘徊(しようもんあかつきにいたりてつきはいくわいす)」(柏城尽日風蕭瑟(はくじやうひねもすかぜせうしつ))と僧であるが文学的の素養の豊かな人は添えて聞かせてもくれた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
......
横瀬夜雨 「花守」
...これが石壁の中の心理なら日本の低徊観望は...
横光利一 「欧洲紀行」
...兇悪奸譎な代議士のためにルパンは不知の境に徘徊させられているのだ...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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