...「御身は何の所用ありてこの橋上を徘徊さるるぞ」と問われたり...
饗庭篁村 「良夜」
...彼方此方を徘徊しながら...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...また草鞋ばき赤毛布で上野公園や愛宕山あたりを徘徊するものもあるので...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...うなだれて徘徊(はいかい)し...
太宰治 「『井伏鱒二選集』後記」
...すなわち低徊顧望よろしく...
谷譲次 「踊る地平線」
...昨夜上野公園で露宿していたら巡査が来て○○人の放火者が徘徊(はいかい)するから注意しろと云ったそうだ...
寺田寅彦 「震災日記より」
...この地上を徘徊するのである...
外村繁 「澪標」
...その幸福のまわりを徘徊して...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...お夏は毎日崇巌院の四方を徘徊しましたが...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...あんな山なんかに負けてなるものか汽車の窓から何度も思った徊想尖った山の心は私の破れた生活を脅かし私の瞳を寒々と見降ろす...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...十六匹の仔豚をつれて庭を徘徊してゐた牝豚は...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...夜中徘徊するというのもやはりこのわけです...
フランス Anatole France 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...必ずや徊去る能(あた)わざる執着を感ずる無くんばあらずであろう...
牧野富太郎 「植物記」
...近代的奢侈品の売店などの前に低徊するのは...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...沙漠(さばく)には砂糖水(さとうみず)のような陽炎(かげろう)が徘徊(はいかい)いたしまする...
宮沢賢治 「雁の童子」
...これなくしては単なる鑑賞は安逸な徊(ていかい)に過ぎない...
柳宗悦 「工藝の道」
...この伊丹附近に俳徊(はいかい)していた姫路の士たちであるこというまでもない...
吉川英治 「黒田如水」
...京都(みやこ)へ来て徘徊(うろつ)いているそうな...
吉川英治 「親鸞」
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