...「御身は何の所用ありてこの橋上を徘徊さるるぞ」と問われたり...
饗庭篁村 「良夜」
...芭蕉扇を手にして徘徊するを見る...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...何度も同じ道を低徊(ていかい)した揚句(あげく)に...
芥川龍之介 「羅生門」
...少年の殺した吾一と云ふ男が姉の嫁入先きをねらつたとかねらはないとか云つてゐるが実は徘徊するも覗ふも吾一はその日は少年の隣村の親類まで行つたかへりに一寸茶店に憩つてゐたのだと云ひ...
伊藤野枝 「女教員の縊死」
...ハイカラ的丸髷(まるまげ)の亡者が徘徊(はいかい)するとの噂が町内に広がり...
井上円了 「おばけの正体」
...落ちかゝり星の光りも僅かに力無し土手の上の線路の側を人は徘徊し悲しく犬の遠吠は聞え使に出された小き女中が土手の下の闇をすれちがひ走りぬ白き犬と共に...
千家元麿 「自分は見た」
...我輩こそオリジナルな文人だぞ! という顔をして徘徊(はいかい)している人間もありますけどね...
太宰治 「渡り鳥」
...そのゝち毎夜奥御殿の外囲いを徘徊(はいかい)しながら見張りの配置を監督する一方に...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...眼に見えて技巧的にか低徊的にかなつて来るのはまことに止むを得ないことである...
田山録弥 「三月の創作」
...辻自動車ばかりが行先の見えぬほど街の角々に徘徊(はいかい)している...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...代助は此(この)ヂレンマの間(あひだ)に徊した...
夏目漱石 「それから」
...ひとり物思ひに耽つて徘徊した野川の畔に...
萩原朔太郎 「宿命」
...「馬鹿奴(め)……」ト言ったその声が未だ中有(ちゅうう)に徘徊(さまよ)ッている内に...
二葉亭四迷 「浮雲」
...馬嘶キテ白日ハ暮レ剣ヲ鳴シテ秋気ノ来タル我ガ心ハ渺トシテ際リ無ク河上ニ空シク徘徊ス*僕の知友に...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...孝高の押し籠められてゐる牢屋(らうや)の近邊を徘徊(はいくわい)して主を守護した...
森鴎外 「栗山大膳」
...予は屡(しば/\)此(この)門前を徘徊(はいくわい)して帰るに忍びなかつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...この伊丹附近に俳徊(はいかい)していた姫路の士たちであるこというまでもない...
吉川英治 「黒田如水」
...徘徊(はいかい)しておられたのを...
吉川英治 「宮本武蔵」
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