...「どうも分らない」青年は小径の別れ道のところに立ち停ると吐きだすように呟(つぶや)いた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...小径(こみち)をへだてて大小凸凹の岩がならび...
太宰治 「逆行」
...また他の家から来た屑と混合して製紙場の槽(ふね)から流れ出すまでの径路に...
寺田寅彦 「浅草紙」
...河流の蛇行径路(メアンダー)については従来いろいろの研究があり...
寺田寅彦 「自然界の縞模様」
...その助手と云ったような順序にこの夢の発展の径路が進行したのではないかと想像される...
寺田寅彦 「夢判断」
...次ぎに小口径の猟銃を用いて軽々(けいけい)に散弾を撒(ま)き...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...二人は小径(こみち)のまん中を小刻みに歩いていった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは径一寸ばかりの真鍮(しんちゅう)の輪にとおした...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの円筒の直径は...
中谷宇吉郎 「宇宙旅行の科学」
...一番捷径(ちかみち)じゃありませんか」小林は頭を掻(か)く真似(まね)をした...
夏目漱石 「明暗」
...あたしが花壇のそばの小径(こみち)を歩いていますと...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ごく稀(まれ)にそんな山径で行き逢(あ)いますと...
堀辰雄 「美しい村」
...熊径(くまみち)と鹿路のみと見受けましたが」「山には野鳥が翔(かけ)っていましょう」「左様――」と阿賀妻はほほ笑んだ...
本庄陸男 「石狩川」
...人も淋しい径と云ふ...
前田普羅 「普羅句集」
...小径のある庭をつくります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ギイと蝶番(ちょうつがい)がきしんで径(けい)三尺(じゃく)四方(ほう)の口がポンと開(あ)く...
吉川英治 「神州天馬侠」
...径は基部八センチ先端部三センチ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...沼のへりにおほよそ葦の生ふるごと此処に茂れり石楠木の木は沼のへりの石楠木咲かむ水無月にまた見に来むぞ此処の沼見にまた来むと思ひつゝさびしいそがしきくらしのなかをいつ出でゝ来む天地(あめつち)のいみじきながめに逢ふ時しわが持ついのちかなしかりけり日あたりに居りていこへど山の上の凍(し)みいちじるし今はゆきなむ昂奮の後のわびしい心になりながら沼のへりに沿うた小径の落葉を踏んで歩き出すと...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索