...眼前に彷彿(はうふつ)するを禁ずる能はず...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...国際上に個人としての政治家の位地が重大なるに彷彿(ほうふつ)しておる...
大隈重信 「国民教育の複本位」
...もしくは乱脈状態をわれわれに彷彿(ほうふつ)させるであろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...函谷関の険を彷彿と思い浮べていた...
田中英光 「箱根の山」
...具象的事相の万一をだに彷彿(はうふつ)せしめがたき概あるにあらずや...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...一切の光景が目に彷彿(ほうふつ)して来た...
徳田秋声 「仮装人物」
...また以て松陰の維新前における猛志を彷彿(ほうふつ)するを得べし...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...之に反して絶対真理の否定者は道徳的真理を常に眼前に彷彿していると思われる...
戸坂潤 「科学方法論」
...かくの如く当時の空気を彷彿せしめることを得たのは...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...リラの花香(くわかう)に巴里(パリー)庭園の美を眼前に彷彿たらしむることを得べしとせんか...
永井荷風 「来青花」
...彷彿させる概がある...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...島のようすが彷彿と眼蓋の裏に浮んでくる...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...形をととのへ白玉をして光あらしむるには折々磨いてやらねばならないのではないかと反問しそれによつて前景を彷彿させるのであるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...私は此處にその最初の巴里滯在中の詩人のすがたを彷彿せしめるに足りる三つの手紙を抄する...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...ただし現在何十もあるヒガンバナの諸国方言中にイチシに彷彿たる名が見つからぬのが残念である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その人物を彷彿する事が出來ないのであらう――も...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...今なお眼前に彷彿(ほうふつ)する...
山本笑月 「明治世相百話」
...それからそれへと眼の前に彷彿(ほうふつ)させるのであった...
夢野久作 「木魂」
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