...彼是(ひし)相俟(あひま)つて始めて全豹(ぜんぺう)を彷彿(はうふつ)する事が出来るかも知れない...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...*讀者の眼頭に彷彿として展開するものは...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...その頃の眉山を彷彿するには女の形容を用ゆるが適していた――を著るしく引立たしたのは春亭九華(しゅんていきゅうか)であった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...神は人間の手足を備うる肉体的存在なりと主張するヴォドアの意見を彷彿たらしむるものなりと信ず...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...一切の光景が目に彷彿(ほうふつ)して来た...
徳田秋声 「仮装人物」
...新潟の町の裏通りに彷彿たるものがある...
豊島与志雄 「中支生活者」
...彷彿せしむるものがありました...
豊島与志雄 「碑文」
...資生堂に入りてオードコロンの類を購わば其の壜其の口金等米国の製品に彷彿たるものあるを見るべし...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...如何(いか)にもその風貌を彷彿(ほうふつ)させる描写なのだ...
中島敦 「斗南先生」
...彷彿させる概がある...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ただいま申しましたご婦人の椅子にこの上なく愚劣な傲慢(ごうまん)さを示しながらふんぞりかえっていたその有様が今も私の眼前に彷彿(ほうふつ)としているくらいですが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...實際英國人の顏に彼程古典的な型を彷彿させるものは滅多(めつた)にない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それから「窄き門」のアリサを彷彿せしめるやうな女性なども出てくるからです...
堀辰雄 「更級日記など」
...私は此處にその最初の巴里滯在中の詩人のすがたを彷彿せしめるに足りる三つの手紙を抄する...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...その状すこぶるサクラの花に彷彿(ほうふつ)している...
牧野富太郎 「植物知識」
...冬は雪に埋もれ夏は汗に堪へ難き楡の樹蔭の貧しき下宿の西向の窓に机を据ゑて學業の餘暇に筆を執つた自分の姿が彷彿として浮んで來る...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...又何ぞ画師の如く遇せらるゝを喜ばんや、即ち二絶句を作りて其布に大書し之を返せり、其一に曰く曾謝横レ経弄レ翰儒、寧能余技備二観娯一、胸中書本猶堪レ献、彷彿鳳七月国、顴高く眉蹙(ちゞ)まれる老人は其眼を光らせて筆を揮(ふる)へり...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...悪食(あくじき)に彷彿すとあるが...
夢野久作 「暗黒公使」
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