...彼是(かれこれ)駒形(こまかた)の並木近くへさしかかっていたのです...
芥川龍之介 「開化の良人」
...――そんなことをしてゐるうちに彼是十分はたつたでせう...
芥川龍之介 「河童」
...彼是(ひし)相俟(あひま)つて始めて全豹(ぜんぺう)を彷彿(はうふつ)する事が出来るかも知れない...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...彼是もう五十の阪に...
芥川龍之介 「地獄變」
...彼は彼是(かれこれ)百行の詩を丁度善い長さに数へてゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...中もう彼是(かれこれ)三十年ばかり昔の事だ...
芥川龍之介 「世之助の話」
...彼是空しく時間を送つた爲に...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...私は自分の感想として書くものに彼是云はれるのが一番いやです...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一三年六月号)」
...だのに本当に解りもしない私共のことについて彼是仰しやればつまりはいたちごつこになつてしまふでは御座いませんか...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一四年一月号)」
...右之段々御賢慮之上に而御座候得者、不及申上候得共、御政道何方に付而も首尾能相調候様にと奉存、彼是善否致差引、心底之程不残申上候...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...彼是(かれこれ)百年近くかゝる事になる...
薄田泣菫 「茶話」
...東京から彼是れ二時間ばかり費して夕方ここに來てみると...
近松秋江 「初雪」
...「右之通雛型、築地於屋舖内、手職人エ申付爲造立度、尤長崎住居大工幸八ト申者、此節致出府居候ニ付、屋舖エ呼寄、爲見繕申度、出來之上於内海致爲乘樣、其上彌以可也乘方出來候時ハ、海路國許エ差遣シ、船手之モノ共爲習練、江戸大阪共爲致往還度、彼是相伺候、可然御差圖被成可被下候、以上、閏七月廿四日、松平土佐守」船が出來たらばまづ江戸内海において運轉させ、それから國元土佐へ送つて藩の船手共へ習練させる、上達したらば江戸、大阪間を往復させるといふ意味であるが、文中幸八の名があつて昌造の名が出ないのは、昌造は長崎奉行配下で目下江戸出役中ゆゑ、幕府へは憚りあつたのであらう...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...家(うち)を持(も)つて彼是(かれこれ)取(と)り紛(まぎ)れてゐるうちに...
夏目漱石 「門」
...彼是(かれこれ)十人計(ばかり)の一行は主任の先導で...
羽志主水 「監獄部屋」
...その敵も口で彼是(かれこれ)喧(やかま)しく云(い)うて罵詈(ばり)する位は何でもないが...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...早くも上がってきた頬に刀傷のある目の険しい五十彼是(かれこれ)の渡世人上がりの四谷杉大門の寄席の主へ...
正岡容 「小説 圓朝」
...武郎君の人生観を彼是言ふものでもない...
宮原晃一郎 「愛人と厭人」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??