...そして川崎道の曲角まで來た時、二三町彼方から、深張りの橄欖色(おりいぶいろ)の傘をさした、海老茶の袴を穿いた女が一人、歩いて來るのに目をつけた...
石川啄木 「鳥影」
...壁の彼方から聞える主人夫婦の声に...
石川啄木 「天鵞絨」
...彼方から二人曳きの俥が疾走して近づいたかと思うと...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...かれはそれを伴れて彼方から此方へと漂泊して行った...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...彼方から、二人の青年がやって来ました...
豊島与志雄 「旅だち」
...常磐木の茂りの並び立つ道の彼方からの声がきこえる...
永井壮吉 「冬日の窓」
...そこへ、峠の彼方から――峠というほどではないが、関の彼方から、うたをうたって来るものがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...山の彼方から半身をのぞかす...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...とてつもなく遠い原野の彼方から...
本庄陸男 「石狩川」
...無限大と無限小とが終(つ)ひに合して虚無の大調和ともなるべき茫漠たる彼方から次第に...
牧野信一 「円卓子での話」
...モダーンと云ふ言葉は当時未だ海の彼方から将来されてゐなかつた...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...すると彼方から百騎...
吉川英治 「三国志」
...彼方から錦幡(きんばん)五色旗をひるがえして...
吉川英治 「三国志」
...山陽道から追ッついて来たのかもしれぬ」やがて彼方からのものが近づくほど...
吉川英治 「私本太平記」
...彼方から駈けて来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼方からただ一人で...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...彼方から男女(ふたり)へ声をかけた...
吉川英治 「夏虫行燈」
...彼方から女の影が夕靄(ゆうもや)につつまれてくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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