...此の如くにして二分せられたる人は其半身を求めて哀泣し彷徨した...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...道を踏み違へて(道標が朽ちてゐたので、右へ下るべきを左へ霧積温泉道を辿つたのである)、山中彷徨、殆んど一日...
種田山頭火 「旅日記」
...あてもなく彷徨(さまよ)い歩く...
寺田寅彦 「秋の歌」
...神と人とに侮られ彼は四方に彷徨(さまよ)はむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...駿河台(するがだい)の旅館街を彷徨(ほうこう)していた...
徳田秋声 「仮装人物」
...やはりそうした彷徨の後...
豊島与志雄 「交遊断片」
...入り組んだ小路をやたらに彷徨したことがあった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...夢とも現(うつつ)ともつかない境に長い間彷徨した...
豊島与志雄 「二つの途」
...あてどもなく彷徨ひぬ...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...現今文学者が彷徨してゐるといふことも...
中原中也 「撫でられた象」
...闇の中を彷徨するものがある...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...旅から旅を彷徨(さまよ)っていました...
火野葦平 「花と龍」
...死と生との不確實な境界線を彷徨してゐる...
水野仙子 「輝ける朝」
...広野に彷徨(さまよ)う中ある窟に亜米利加獅(ピューマ)の牝が子を産むに苦しむを見...
南方熊楠 「十二支考」
...実は岐路(きろ)に彷徨(ほうこう)しておるようなわけで...
三宅花圃 「藪の鶯」
...しばしばあの唐三彩(とうさんさい)を彷彿(ほうふつ)させる緑釉(りょくゆう)の陶器を...
柳宗悦 「北支の民藝(放送講演)」
...又何ぞ画師の如く遇せらるゝを喜ばんや、即ち二絶句を作りて其布に大書し之を返せり、其一に曰く曾謝横レ経弄レ翰儒、寧能余技備二観娯一、胸中書本猶堪レ献、彷彿鳳七月国、顴高く眉蹙(ちゞ)まれる老人は其眼を光らせて筆を揮(ふる)へり...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...水天彷彿(ほうふつ)たるかなたまで...
山本周五郎 「新潮記」
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