...嗚呼我が知らざる「我」は何處の空に彷徨つてゐることであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...戀愛の熱に身を任せて行衞も知らぬ夢又夢の境を彷徨ひ行く少年男女の間に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...……半日半夜彷徨...
種田山頭火 「其中日記」
...そうやって彷徨(さまよ)っていても...
徳田秋声 「仮装人物」
...毎日ぶら/\と其處(そこ)ら中彷徨(うろつ)きまはつて...
徳田秋聲 「絶望」
...あの狸の穴に彷彿したM君との別荘へあてゝ...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...それを読むと氏の気魄彷彿とするものがある...
戸坂潤 「社会時評」
...そして夜は雪の消え残った裏通りを黙々として彷徨した...
豊島与志雄 「運命のままに」
...彼はただ手さぐりに彷徨(ほうこう)した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...彼(かれ)に快(こゝろ)よく村落(むら)の内(うち)を彷徨(さまよ)はせた...
長塚節 「土」
...六十八歳の老フランクの淋(さび)しい姿を彷彿(ほうふつ)とさせて涙ぐましくさえある...
野村胡堂 「楽聖物語」
...彼の魂は瞬(まばた)きせざる眼をもって見詰めながら闇の唯中を彷徨(ほうこう)する...
三木清 「語られざる哲学」
...その幽鬼たちが彼という存在との接触においてかつての現実の事情の中に完成されなかったいきさつを妄執として彷徨し...
宮本百合子 「観念性と抒情性」
...筑摩で『彷徨える湖(ロブ湖)の話』(ヘディン)をくれて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...生きてはおりましてもまだ悲しい夢に彷徨(ほうこう)しているばかりでございます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こうした毎夜のような彼の彷徨(ほうこう)は...
室生犀星 「幻影の都市」
...彼女の彷徨(さまよ)う夜の数も減(へ)ったが――...
吉川英治 「山浦清麿」
...そんな訳のわからぬ快よい線を彷徨(さまよ)いながら起きる気持...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
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