...若し無限の彷徨が本來の面目であるとしたなら……...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...夜々綢繆(ちうびう)の思ひ絶えざる彷彿(はうふつ)一味の調は...
石川啄木 「閑天地」
...先刻(さつき)まで箒を持つて彷徨(さまよ)つてゐた...
石川啄木 「鳥影」
...激浪に揉まれながら為(な)す術(すべ)もなく彷徨(さまよ)っているばかりだった...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...十二月廿四日雨、彷徨何里、今夜もSの厄介、不幸な幸福か...
種田山頭火 「行乞記」
...あてもなく彷徨(さまよ)い歩く...
寺田寅彦 「秋の歌」
...彼女は死の一歩手前まで彷徨(さまよ)い...
徳田秋声 「縮図」
...それこそ五里霧中に彷徨してしまい...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...おすがの家は煙がこもつて其煙が廂を傳はつて靜かな夜の中へ彷徨つて行く...
長塚節 「芋掘り」
...たしか彷徨期間を長くする方に効いたようであった...
中谷宇吉郎 「鼠の湯治」
...どうやらその夜の出來事を彷彿(はうふつ)させるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
......
林芙美子 「新版 放浪記」
...彼らの多くは言葉にできぬ程の惨めさの裡に地上を彷徨い...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...さういふ後年の彼自身の詩篇(「郷土望景詩」)によつて彷彿される...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...軽井沢で庭にまで排尿のため夜中に彷徨したことをかぞえると...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...物乞いのように彷徨(さまよ)っている日だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...時として私の想像力はあらゆる限界を逃れ幻想的な連想の諸王国をあてどなく彷徨った――この失われた世界とキャンプで出会った狂える恐怖にまつわる私自身の最も放縦な夢との間に関連性を糾おうとさえしながら...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...しかも浴室の気分を彷彿せしむるなどは...
和辻哲郎 「院展遠望」
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