...彼の缺點をつゝついて喜ばうとする心持の影を認めることがあつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...親しい友だちの胸に利己のさびしい影を認めるほど眼も心もさめておらなかった...
田山花袋 「田舎教師」
...ともかくも世界滅亡のカタクリズムを表現しようと試みた努力の中にはさすがにこの作者の老巧さの片影を認めることもできないことはないようである...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...現在でも未開国ではその片影を認めることができるようである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...このえびの幻影を認める事ができる...
寺田寅彦 「田園雑感」
...機影を認める時は固より...
豊島与志雄 「風俗時評」
...又作意の書を主として其の間に微かに率意の影を認めるのは傅山などの如きものである...
内藤湖南 「北派の書論」
...橋の欄干にしがみついている一個の人影を認めることができました...
中里介山 「大菩薩峠」
...朧(おぼろ)のなかに影を認めるような糢糊(もこ)たるものでも...
夏目漱石 「作物の批評」
...機影を認める事は至難である...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...爆音がして広島上空に機影を認めるとラジオは報告してゐながら...
原民喜 「廃墟から」
...爆音がして広島上空に機影を認めるとラジオは報告していながら...
原民喜 「廃墟から」
...その斥候が敵の影を認める度に...
森鴎外 「かのように」
...それは原来その時代々々が先生等の霊の上に投写した影を認めるに過ぎない...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...彼等はまだ互ひの影を認めることは出來た...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...しばしば異(い)な船影を認めるたび...
吉川英治 「私本太平記」
...その女の影を認めるとすぐ...
吉川英治 「旗岡巡査」
...法華寺の観音に光明后の面影を認めるというのではない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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