...現に或時(いつか)の晩の如きは職工二人許りと連立つて行つた形跡があると云ふ事であつた...
石川啄木 「菊池君」
...それを遊女に賣り飛ばした形跡があるさうだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...滅多に箝(は)めない宝石入の指輪を大事に蔵(しま)っていた形跡があるのだから...
辰野隆 「愛書癖」
...ライト兄弟もまたレーリーの影響を受けたらしい形跡がある...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...たしかにこの町あたりまで入り込んだ形跡があるようで...
中里介山 「大菩薩峠」
...二人は抱き合いながら水に浸ってさまよい歩いた形跡があること...
中里介山 「大菩薩峠」
...横浜の女学校の方へ赴いた形跡があるよ...
原民喜 「四五ニズム述懐」
...そういう形跡があるんです」「神月は...
久生十蘭 「あなたも私も」
...明かに玄関の三畳から六畳の居間をとおって台所へ死体をひきずっていった形跡があるのです...
平林初之輔 「予審調書」
...ほかにもたちの悪い侵入形跡がある...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の土壌」
...外来の形跡があるかないかを察し...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...物置にでもつかったものらしい形跡がある...
柳川春葉 「怪物屋敷」
...この過多の涼味を加減することを企てていた形跡がある...
柳田国男 「雪国の春」
...真剣の努力を以て能楽にいそしんだ形跡がある...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...それを毎日毎日手入れをしておった形跡があるのじゃから...
夢野久作 「二重心臓」
...廃棄されたりして来た形跡がある...
夢野久作 「能とは何か」
...誰やら一度通ったらしい形跡があるので」「あるとすれば...
吉川英治 「江戸三国志」
...それについて何か疑わしい形跡があるであろうか...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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