...常に舟を形勝の地に置くことが出來る...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...形勝の雄、都下に冠たり...
大町桂月 「飛鳥山遠足」
...たちまちわたしには離宮の占めていた形勝(けいしょう)の地位がはっきりして来た...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...実際あゝ云う形勝な眺望...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...これはたいへんにいい所だからこの形勝を保存しなければいけないという事になり...
寺田寅彦 「写生紀行」
...形勝の地ともいえないところへ――ことに...
中里介山 「大菩薩峠」
...小町をいただくにふさわしい形勝の地でないということはありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...絹織物の名産地でもある福井の城下に近い形勝を占めたところだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...即事さゝ彼の滋賀の縣の葱作り朶垣つくるあらき朶垣澁柿の腐れて落つる青芝も畑も秋田もむかし志賀の宮此舊都の蹟は洵に形勝の地なり...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...タオルミーナの劇場は何よりもすぐれた形勝の位置に置かれてあるのが特長である...
野上豊一郎 「エトナ」
...その辺からは、すぐ下に昔のマクシムス競技場の跡(今のヴィア・デイ・チェルキ)を隔ててアヴェンティーノの山からテベレの下流を眺めるようになって、形勝の地である...
野上豊一郎 「パラティーノ」
...如何にも具合の佳ささうな形勝の地であるが...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...昔なつかしい形勝の地であった...
柳田国男 「海上の道」
...家が分れて小さくなり一方にはまた形勝の地はすでに占められてしまうと...
柳田國男 「地名の研究」
...耕作に重きを置かなかった海部(あまべ)種族などが逐次に内陸を経略するには最も形勝の地と認めてよろしい...
柳田國男 「地名の研究」
...早く巣作るものが形勝(けいしょう)と安全とを先占(せんせん)し...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...山水の形勝に拠って新宗教を宣伝することは...
柳田国男 「雪国の春」
...N君の泊まっている家はこの芸術に浸り込んだような形勝の地にあった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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