...誰が体のない、形のない、感情のない、個性のない霊といふものなんぞが、気(かうき)の中を飛び廻つてゐるのを、なんの用に立てるものか...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...精神的教養は形のないものである...
伊丹万作 「顔の美について」
...形のない盤をとつて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...もう形のない死神と亡靈との並んで通つてゐるのが人間界のものに見えないやうなものだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...云われる如く吾々は形のない色を表象することは出来ない...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...しかしそれは捕えんとすれば跡形のないものである...
中谷宇吉郎 「古代東洋への郷愁」
...形のない趣(おもむき)を判然(はっきり)と眼の前に創造したような心持がしてさらに嬉しい...
夏目漱石 「思い出す事など」
...形のないまでに船を壊し...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...形のない粘土を用意していて...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...亭主(ていし)持たずに一生暮すもんが有る者(もん)かネ」これは万更(まんざら)形のないお噺(はなし)でもない...
二葉亭四迷 「浮雲」
...何か形のない物を視詰めてゐる...
牧野信一 「鱗雲」
...形のないあれやこれが今にも形になりさうな気忙しさに打たれ...
牧野信一 「冬の風鈴」
...かやうに形のないものから如何にして形を作るかといふことである...
三木清 「人生論ノート」
...あたくしは思想なんて形のないものは...
宮本百合子 「傷だらけの足」
...何かぼやっとして形のない思想から生ずる影みたいなものなのでございます...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼らはただ未だ形のない泥んこを捏(こ)ねているだけなのだと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...人間の種子からまず母の胎内に形のない果実を生じ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そうすれば形のない物よりはるかに消えやすい...
柳田国男 「雪国の春」
便利!手書き漢字入力検索