...その当座は特に昼間も自由に横臥することを許された...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...此方(こちら)に移って来た当座は雪子ちゃんも気持よく家事の手伝いをしてくれ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あらゆる実務という事に経験もなく趣味もなかった亮の赴任当座は...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...その当座はぺこぺこしていても鼻薬が利かなくなると...
徳田秋声 「縮図」
...お君もまたその当座は...
中里介山 「大菩薩峠」
...その当座は、またまたその噂で持切りで、能登守の屋敷あとは、金箔付の化物屋敷にされてしまい、そのお君の方を斬り込んだと伝えられる井戸は固く封ぜられ、ついにはその屋敷の前を通る者さえ少なくなりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...つまり、船に来てから人に逢ってみると里心がついて、この当座は、人間界の代物(しろもの)でしたけれども、ここでまたも放たれた気分になりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...嫁に行った当座はけっして鼓を御打ちでないよ...
夏目漱石 「行人」
...当座は大変不自由を致しました」父は慰めようもなかった...
夏目漱石 「行人」
...当座は、沈んだ顔をしていたが、そのうちに、二人の娘を学校へ出してやることから、ベッドに入れる世話まで、かいがいしくやるようになった...
久生十蘭 「春雪」
...でも当座は悲しいもんだから...
久生十蘭 「ユモレスク」
...しかもその当座は草鞋(わらじ)がなお用いられて...
柳田国男 「木綿以前の事」
...小学校のできた当座は学校の騒ぎ...
柳田国男 「山の人生」
...当座は生活が楽になるであろう...
山本周五郎 「菊千代抄」
...何しろ当座は、あいつにだれかの姿を見せるのは禁物だからな」かれはもう自分ひとりで、金吾と万太郎の引合せ役、また帰参の取りなし役を背負ッて立った気で、いや応なく、江戸表へ同道するものと決め込んでいるらしい...
吉川英治 「江戸三国志」
...許都へ来た当座は...
吉川英治 「三国志」
...御当家の大命が、滞(とどこお)りなく、おすみになった後のお思召と申すなら格別、当座は、何ぞ、印(しるし)だけの物で、よくはないかと心得まするが』夫人の眸に、心もとなげな影がうごいた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...しかし父自身も出所当座は...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??