...文壇的野心の欝勃としていた当初は左(と)も右(か)く...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...しかし当初は、父祖の業を継(つ)ぐ目的で丁稚奉公に住み込んだ身の将来これを本職にしようという覚悟(かくご)も自信もあったのではなかったただ春琴に忠実である余り彼女の好むところのものを己(おの)れも好むようになりそれが昂(こう)じた結果であり音曲をもって彼女の愛を得る手段に供しようなどの心すらもなかったことは、彼女にさえ極力秘していた一事をもって明かである...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...結婚の当初は至って朗らかな少女であった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...当初はこれに相違なかりしといえども...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...不能者になったことに気づいた当初は...
外村繁 「澪標」
...もとより当初は、来(きた)る者拒まず、という解放主義でなければ人が集まらないという理由の下に、人を入れに入れたものですから、そういう検討をする遑(いとま)がなかった...
中里介山 「大菩薩峠」
...少くとも当初は最もエジプト的に特長づけられていた筈なのに...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...当初は寒さをしのぐためのものであつたに相違ないのが...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...当初はかくの如き人民の相互担保によって維持せられ...
穂積陳重 「法窓夜話」
...その事を知った当初は...
堀辰雄 「ほととぎす」
...当初は汚水を処理するために導入されたが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の土壌」
...これもまた当初は男鹿人の地方神の...
柳田国男 「雪国の春」
...当初はおもむろに...
吉川英治 「三国志」
...――当初は彼も自信し...
吉川英治 「私本太平記」
...そして旗上げ当初は何もかもが順調であったが...
吉川英治 「私本太平記」
...当初は双方がまだ若く...
吉川英治 「宮本武蔵」
...江戸へ来た当初は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...当初は私どものために計(はから)ってくれました...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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