...博士は、茶の間の自分の座に戻ってから、彼の考えを隆夫と、その母親に説明し、当分の間、隆夫は、この家に居ないことにしておいた方がよいと、結論を述べた...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...当分の間蛇毒研究所の金庫の中へ預ってもらっておいて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...然しさしあたり、妙子が父兄の許可なくして三好と云う男と関係を結び、身重になったと云うことが、世間へ知れては工合の悪い事情があるので、当分の間、二人は交通しないで貰いたい...
谷崎潤一郎 「細雪」
...当分の間彼は孤独の生活を送った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...別に独身主義というのではなく、ただ当分の間、気がすむまで、自由な空気を呼吸したかったのです...
豊島与志雄 「旅だち」
...婦人小児連は当分の間...
中里介山 「大菩薩峠」
...薄暗い蚕室(さんしつ)の中で――腐刑(ふけい)施術後当分の間は風に当たることを避けねばならぬので...
中島敦 「李陵」
...それから当分の間は是公の事を...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...当分の間は最も有望な領域であるが...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...私はそっとホテルから歩いて去り、当分の間、姿を消します...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...サッポロを離れた当分の間は...
本庄陸男 「石狩川」
...当分の間は子供の夜遊びは厳禁しようと各戸で申合せたさうだつた...
牧野信一 「鬼涙村」
...当分の間お蕗のうちで静養して見よう...
牧野信一 「剥製」
...……ところが、これを書きました本人の青年患者は、この原稿を僅か一週間ばかりの間に、精神病者特有の精力を発揮しまして、不眠不休で書上げてしまいますと、流石(さすが)に疲れたと見えまして、夜も昼もなくグウグウと眠るようになりましたために、この標題の意味を尋ねる事が、当分の間、出来なくなってしまいました...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私を当分の間ここの家(うち)に泊めてくれない? ……その代りには...
吉川英治 「江戸三国志」
...どこかへ当分の間...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...……まあ当分の間...
吉川英治 「宮本武蔵」
...三主君忠利(ただとし)の命で、武蔵との試合が決定してからほどなく、君公の思いやりもあり、岩間角兵衛のとりなしもあって、――当分の間、隔日の御指南の儀、登城に及ばず...
吉川英治 「宮本武蔵」
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