...で私も当分の間、その好意に甘えることになった...   
井上貞治郎  「私の履歴書」 
...先を読め」「――わが敬愛する黒馬博士に対し、甚(はなは)だ遺憾(いかん)なることなれども、余は博士を、当分の間、わが日本より閉め出すの已(や)むなき事態に至れることを、謹(つつし)みて通告する次第である」「なに、日本より閉め出すというのか...   
海野十三  「地球要塞」 
...それには此処当分の間雪子ちゃんが帰って来てくれない方が都合がよい...   
谷崎潤一郎  「細雪」 
...然しさしあたり、妙子が父兄の許可なくして三好と云う男と関係を結び、身重になったと云うことが、世間へ知れては工合の悪い事情があるので、当分の間、二人は交通しないで貰いたい...   
谷崎潤一郎  「細雪」 
...ここ当分の間の生活費として多少のことをして貰うこと...   
谷崎潤一郎  「細雪」 
...今日から当分の間...   
谷崎潤一郎  「猫と庄造と二人のおんな」 
...今日から当分の間...   
谷崎潤一郎  「猫と庄造と二人のをんな」 
...また適当な後任者の出来るまで当分の間だけ引受けるというのだったら...   
寺田寅彦  「レーリー卿(Lord Rayleigh)」 
...当分の間彼は孤独の生活を送った...   
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」 
...「当分の間、我々を当家にかくまってくれるように、事をわけて歎願してみるのじゃ」「しかし、それを聞き入れてくれぬ時には?」「その時には、この宇津木だけを当家にかくまってくれるように頼み、我々は相当の路用と衣類とを借用して尋常に逃げてみるのだ」「もしまた、それを聞き入れなかったその時には?」「その時には気の毒ながら、最後の手段を取るよりほかはない、最後というのは血を見ることだ」「よろしい、その決心で働こう...   
中里介山  「大菩薩峠」 
...そこで、与八のいるうちに出立の用意をととのえて、馬や駕籠(かご)も頼み、当分の間、乳母(ばあや)も附いて行ってくれるとのことだから、なお安心して、すべては非常に調子よく捗(はかど)ってしまいました...   
中里介山  「大菩薩峠」 
...薄暗い蚕室(さんしつ)の中で――腐刑(ふけい)施術後当分の間は風に当たることを避けねばならぬので...   
中島敦  「李陵」 
...会の連発にて当分の間は...   
夏目漱石  「吾輩は猫である」 
...私はそっとホテルから歩いて去り、当分の間、姿を消します...   
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」 
...私は当分の間、静かに姿を消します」「でもあなた、お金ないのでしょう...   
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」 
...三「当分の間僕は酒場通ひは止めることにしたよ...   
牧野信一  「歌へる日まで」 
...……しかも、その後任教授がまだ決定致しておりませず、適当な助教授も以前から居ないままになっておりました結果、総長の命を受けまして、当分の間、私がこの教室の仕事を兼任致しているような次第で御座いますが……その中でも特に大切に、全力を尽して御介抱申上げるように、正木先生から御委托を受けまして、お引受致しましたのが、外(ほか)ならぬ貴方で御座いました...   
夢野久作  「ドグラ・マグラ」 
...私を当分の間ここの家(うち)に泊めてくれない? ……その代りには...   
吉川英治  「江戸三国志」 
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