...先を読め」「――わが敬愛する黒馬博士に対し、甚(はなは)だ遺憾(いかん)なることなれども、余は博士を、当分の間、わが日本より閉め出すの已(や)むなき事態に至れることを、謹(つつし)みて通告する次第である」「なに、日本より閉め出すというのか...
海野十三 「地球要塞」
...即ち我が国はここ当分の間は世界の風潮を指導するの力なきが故に...
大隈重信 「世界平和の趨勢」
...当分の間蛇毒研究所の金庫の中へ預ってもらっておいて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...当分の間我慢なさい」という意味を匂わせたつもりであるが...
谷崎潤一郎 「鍵」
...それには此処当分の間雪子ちゃんが帰って来てくれない方が都合がよい...
谷崎潤一郎 「細雪」
...当分の間は眼(め)が放されないことであろうと...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...当分の間は毎日子供から蓄音機を蓄音機をと迫られた...
寺田寅彦 「蓄音機」
...けっきょく兵馬はお君を当分の間この宿へよく頼んで預けておいて...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこで、与八のいるうちに出立の用意をととのえて、馬や駕籠(かご)も頼み、当分の間、乳母(ばあや)も附いて行ってくれるとのことだから、なお安心して、すべては非常に調子よく捗(はかど)ってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ですからこっちなんぞは当分の間...
中里介山 「大菩薩峠」
...当分の間は好きでも嫌いでも西洋科学を神妙に勉強した方が良さそうである...
中谷宇吉郎 「語呂の論理」
...それから当分の間は...
夏目漱石 「門」
...その後当分の間尾行をつけられるといううるささで...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...私はそっとホテルから歩いて去り、当分の間、姿を消します...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...これで当分の間町通いにオートバイが使えることになりました...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...が泣く間もなく、パンの棒を小脇に抱えた妻がマメイドに続いて現れ、「あなたは、否応(いやおう)なく、当分の間は、その装(なり)でいなければなりませんよ...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...当分の間は皇帝の手許に達しない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...神にお供え申す魚は、川や湖水から捕って来て、すぐに差し上げるのはおそれ多いから、当分の間、清い神社の池に放して置くとすると、これを普通のものと差別する為には、一方の眼を取って置くということが出来るからであります...
柳田國男 「日本の伝説」
便利!手書き漢字入力検索