...物を教えることも当分のあいだ差し留めた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...当分のあいだ浮き世へ出ておれと言われたのは...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そのクラソトキンというのは、ここの役人ですから、またやっかいなことが起こるかもしれません……」「僕はあなたに御忠告しますが」とアリョーシャは熱心に続けた、「当分のあいだ、気が静まるまで、全然、学校へやらないほうがいいですよ、……そのうちに、怒りも納まるでしょうからね……」「怒り!」と二等大尉は引き取った、「全く怒りでございますね! ちっぽけな子供ですが、大きな怒りをもっていますよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...当分のあいだ窮命していろやい」「面目(めんもく)しでえもねえ」以前の二人の三下は...
中里介山 「大菩薩峠」
...当分のあいだ家人をあちこちの床屋や湯屋や人の集まる場所へやって探らせてみたが...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...明日から当分のあいだ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...お前さんが明日から当分のあいだ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...当分のあいだ、ご朝食に降りてきませんけど、どうかご心配なく」本から眼もはなさずにママがいった...
久生十蘭 「だいこん」
...只管それがために当分のあいだは自からの慾望を抑え...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「そう仰せられるのを伺いますと何とのう、この世が侘(わび)しゅうもなりますが、しかし浮世と申せば、よろず、止むを得ぬ儀とも思われますな」と、雪之丞、しんみりいって、相手を見上げると、「心弱うては、此(こ)の世界では、乞(こつ)じきに、身を落すほかはない――それにしても、太夫、よいことを耳に入れてくれましたな、このことは、長崎屋には、当分のあいだ、耳に入れぬよう頼みますぞ」「あなたさまが、そう仰せあそばせば、決して、どなたの前でも、歯から外に洩らすことではござりませぬ」「折角、そなたの話もあったゆえ、わしも性根を据えて、ここらで、ずんとひとつ考えて見ねばならぬ」と、広海屋は、思い入ったようにいったが、ふっと、気がついたように、腕組をほどいて、「さて、では、心置きのう、杯をすごして貰おうか――わしも、久しぶりで、何かこう大きな山にさしかかった気がして、心がいさんでまいったようだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...つまり修理ができても、当分のあいだ、船大工の岸へつないでおいてもらう、ということで、それは青べかへ乗るまえに長をはじめとする少年たちと、感情の融和期間を持ちたいと考えたからであって、ああそうだったと思いだし、ほっとしたとたん、まるで私がその約束を思いだすのを待ちかねていたように、芳爺さんが青べかを届けに来た...
山本周五郎 「青べか物語」
...あのことは当分のあいだ忘れているとしよう」だが一つだけ...
山本周五郎 「さぶ」
...当分のあいだはただ聞かせるだけにする...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...当分のあいだ悩まされた...
山本周五郎 「百足ちがい」
...と云うのが聞え、舟のうち二はいが、すぐに水門を出てゆきました」そして、今日は早朝から邸内に厳しい布令がまわり、当分のあいだ、(夜間はもちろん)許しのある者以外はその住居から出てはならない、ということになった...
山本周五郎 「風流太平記」
...当分のあいだ延期とご承知ねがいたい」と...
吉川英治 「三国志」
...(浪士一同の処分は追っての沙汰とし、当分のあいだ、四藩へ分けてお預けの事)と決まった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...しかたがないから私は明日から書く小説の稿料を当分のあいだ現地の救済資金の内にでも加えてもらおう...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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